積層造形土木材料の最適な微視構造を設計する高性能トポロジー最適化手法の開発
Project/Area Number |
22KJ1610
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Project/Area Number (Other) |
22J23735 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 22020:Structure engineering and earthquake engineering-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 聖圭 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トポロジー最適化 / マルチスケール解析 / 均質化法 / 高速フーリエ変換 / 弾塑性材料 / 非線形解析 |
Outline of Research at the Start |
複雑な形状でも容易に造形できる3Dプリントによるものづくりは, コンクリートやFRPといった材料を用いる土木分野にまで広がっている.な かでも期待されているのは,細かな単位構造が周期的に並んだ構造(ラティス構造)を活用した,構造物の軽量化・力学性能向上である.最適 なラティス構造の設計は,経験則よる従来の手法では困難であり,数値解析に基づく設計手法である「トポロジー最適化」が必要である.しか しながら,これを実設計に適用するには,計算コストや造形可能性,実現象の再現性といった課題が山積している.そこで,申請者は解析と実 験を組み合わせることで,これらの課題の解決に総合的に取り組む.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,3Dプリントを用いたものづくりが土木分野においても一般的となる将来を見据え,積層造形した周期構造(ラティス構造)を取り入れた新しい土木構造物のための最適設計手法の構築を目的とする.周期構造を巨視的に均質材料とみなし,構造幾何(マクロ構造)と材料幾何(ミクロ構造)の二つのスケールを考慮した設計を行うことで,構造物の性能向上や軽量化が期待できる.しかしながら,マルチスケールトポロジー最適化ついての既往研究のほとんどは計算コストの制約から線形弾性材料を対象としており,積層造形に用いられるゴムや樹脂,金属といった実材料の挙動に即した設計を行うためには不十分である. このような背景から,本研究は,弾塑性材料を対象とした計算効率に優れた最適設計手法の開発に取り組む.具体的には,高速フーリエ変換(FFT)に基づく均質化手法をミクロ構造解析に組み込むことで,従来の有限要素法(FEM)を用いた手法と比べて計算コスト(計算時間・メモリ要求量)を大幅に削減した.これにより,二つのスケールの構造解析を連成して解く厳密な解析法を採用することが可能となり,より精度に優れた最適設計を実現した.通常の線形弾性材料を対象とした最適設計との比較検証を実施したところ,塑性変形の影響を考慮した最適設計によって,材料が降伏した後もより大きな外力に耐えられる優れた最適化構造が得られることが明らかになり,本手法の有効性を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の初めの段階では,巨視的な構成則を仮定することでミクロとマクロを別々に解く「分離型」のマルチスケール解析に基づいた最適設計の実装を想定していた.ところが,一般的な直交異方性弾塑性材料モデルでは最適化で得られるあらゆるミクロ構造の非線形挙動を再現することが困難であるという課題に直面した.そのため,二つのスケールを同時に解く「連成型」の解析手法へと計画を変更した.この手法は精度に優れる反面,マクロ構造のすべての応力評価点においてミクロ構造を解く必要があり,つり合いを求める反復解析の計算量が著しいという課題がある.しかしながら,前述のFFTによる効率的な解析手法を組み込むとともに,初期値の設定方法を工夫することで,研究室所有の計算機でも解析が実行可能であることが判明した.その後,感度解析プロセスを実装し,最適設計のプログラム実装が完了した. このような計画変更があったものの,予定通り今年度中に弾塑性材料を対象とした最適設計まで実現することができた.また,本手法の有用性についても確認した. 以上の成果は国内外の学会において発表予定であり,次年度投稿予定の論文も現在執筆中である.以上のことから本研究課題に対する取り組みに問題はないと判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,今年度のプログラムを拡張し,複数の計算機(CPU)を用いた並列計算を実施する計画である.マクロ構造のすべての応力評価点におけるミクロ構造の解析は互いに独立であるため,並列計算により計算時間の短縮が見込まれる.これにより,より高解像度の解析や三次元設計が可能になると考えている.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)