Project/Area Number |
22KJ1622
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Project/Area Number (Other) |
22J00813 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Kyoto University (2023) Nagoya Institute of Technology (2022) |
Principal Investigator |
深谷 菜摘 京都大学, 工学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 超分子ポリマー / 液液相分離 / ケミカルバイオロジー / 超分子化学 / 発蛍光性プローブ |
Outline of Research at the Start |
細胞内ではタンパク質やRNAなどの生体分子が液-液相分離し,液滴形成によって転写,翻訳,代謝などの多くの生命現象を制御している.そのような現象を人工的に制御することで,細胞機能を制御可能な新たな分子技術の創出が期待できる.本研究では,低分子から中分子程度のペプチドに着目し,細胞内で相分離する合成ペプチドの創出を目指す.この実現に向けて,細胞内部の相分離特性について種々のスペクトル,顕微鏡技術を駆使して理解を深める.また,細胞の機能制御への応用を視野に入れ,特定のタンパク質を封入する相分離性ペプチドを開発する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,生細胞内で相分離する合成ペプチドを創製し,その機能を追求することにある.標的タンパク質を液滴から迅速に隔離・放出することを念頭に,2023年度は水媒体中で相分離する低分子の創出に向けて,π電子系トリフェニルアミンを中心骨格とした誘導体の合成に取り組んできた.トリフェニルアミンは水中で疎水効果により凝集しやすいため,相分離を誘起する最適な中心骨格として選定した.トリフェニルアミンに対してアミド基を導入し,水溶性を付与する側鎖であるオリゴエチレングリコール鎖を連結した分子を設計し,合成法を確立した.しかし,得られた誘導体はオイル状であり,水に均一に溶解して集合体を形成しなかった. そこで,トリフェニルアミン骨格自体の集合能について確認するため,分岐アルキル鎖を導入した誘導体についても合成した.有機溶媒中で形成したゲルをレオメータで動的粘弾性を測定したところ,柔らかいゲルを形成していることがわかった.飽和脂肪族であるドデシル基や不飽和脂肪族であるオレイル基を導入した誘導体は硬いゲルを形成したため,集合体の粘弾性の調整には非晶質な分岐側鎖の導入が有効であることがわかった. 今年度は,水中で分子間相互作用を強めるためにトリフェニルアミンに対しペプチドを連結した分子群を合成する.また,有機溶媒中で形成したゲルの知見を活かして,分岐したオリゴエチレングリコールの導入し,集合体の硬さや流動性の調整を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
沈殿を形成せず水中で適切に集合化する化合物群の合成に時間を要している.2024度はイオン性の置換基を導入し,分散性を向上しつつオリゴフェニルアラニンなどβシートを形成しやすい骨格を導入して集合化能の調整を目指す.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は下記の実験を遂行する予定である.実験計画を以下に示す. [細胞内で相分離するペプチドの合成]:トリフェニルアミン骨格に対して,オリゴペプチドを柔軟なスペーサーで複数連結した分子群を合成する.加えて,液-液相分離を実現する分子骨格や,液滴の流動性・粘度などの物性と分子構造の相関を探るため,アミノ酸残基の種類・数やスペーサー構造,ペプチドの価数の異なる誘導体を合成する. [in vitroでの物性評価]:種々のアミノ酸残基が及ぼす相分離能への効果を検証する.様々なpH,イオン濃度の水溶液条件での液滴形成効率の検討は,分光測定や光学顕微鏡を用いる.加えて,生じた液滴のサイズ・粘度・流動性を動的光散乱 (DLS) 測定,工学顕微鏡によって解析し,液-液相分離に対するアミノ酸残基や分子構造の効果を精査する. こうして蓄積した種々の誘導体の評価データを解析し,分子構造と相分離能の相関を探ると同時に,細胞内での相分離能を評価し,相分離性合成ペプチドを可能な限り多く取得する.
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