Project/Area Number |
22KJ1704
|
Project/Area Number (Other) |
21J22648 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01080:Sociology of science, history of science and technology-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中条 太聖 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 生成文法 / 言語学の哲学 / チョムスキー / 非文 / モデル / 科学哲学 / 理想化 |
Outline of Research at the Start |
人類が進化してきたのであれば、当然、人間の言語も進化の過程で獲得したものであろう。ならば言語は進化的に説明されるはずだ。しかし、進化的に説明されるということは一体どういうことなのだろうか。我々は「進化」という概念を用いて何をどう明らかにしているのだろうか。現在、言語だけでなく、心理や社会、文化に至るまで幅広い対象が進化という観点を踏まえ研究されている。本研究は進化的説明の構造を生成文法に焦点を当て、言語進化に着目しながら解明することを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、言語学(生成文法)のモデリングについて研究を行った。非文と母語話者の判断という2側面から研究をした。 前者については、非文とは一見すると生成文法学者が作り出した日常では観察されない非文法的な文ではあるが、生成文法が突き止めたいある特定の文法規則のみに違反した文であり、説明対象となる現象を表象する機能を果たすことを明らかにした。また非文が実践的な言語研究において説明的に機能するのは、生成文法が考える理想的母語話者というモデルが前提にあってこそであることを明らかにした。この結果は科学基礎論学会にて口頭発表をした。 後者については、母語話者(多くの場合研究者)による判断そのものはデータを実験であり、母語話者の文に対する判断結果はデータであること、また、こうした判断データは研究者によって処理が施されたデータモデルであることを明らかにした。ここでの理想化は必ずしも統計的な処理を意味するわけではないことを示した。この結果は日本科学哲学会にて口頭発表を行った。 研究全体としては、構想段階では言語進化を起点としていたが、言語学、特に生成文法の営みの科学的な側面を解明していくことに焦点を当てたものになった。
|