Project/Area Number |
22KJ1738
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Project/Area Number (Other) |
21J23216 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 64040:Social-ecological systems-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
義村 弘仁 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 野生動物 / ユキヒョウ / ネコ科動物 / 食性 / メタバーコーディング / DNA |
Outline of Research at the Start |
キルギス共和国の高山生態系において、主要な哺乳類の糞を採取し、餌動物および植物のDNAを抽出する。得られたDNAからそれぞれの種がどのような植物を利用しているかを明らかにする。肉食動物と植物食動物が利用する植物種の違いを比較し、それぞれの動物がどのように植物資源を利用しているのか、肉食動物が利用する植物の特徴は何か、を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年5月にキルギス共和国に渡航し、野生哺乳類の糞採取をおこなった。帰国後、DNAを用いて、野生哺乳類の糞中に含まれている餌動物と植物を明らかにした。そして、研究期間全体を通じて収集してきたデータを合わせて解析した。その結果、Sarychat-Ertash Nature Reserveにおいて、ユキヒョウの糞中からはMyricaria属の植物が頻繁に検出されることがわかった。この植物は同所的に生息する他の哺乳類(オオカミ、キツネ、アルガリ、アイベックス、マーモット、クマ)の糞中からはほとんど検出されなかった。機械学習の手法を用いた分析においても、Myicaria属の植物がユキヒョウの糞を特徴づけていることが示された。また、糞中の餌動物と植物の共起分析をおこなったところ、Myricaria属の植物は餌動物のDNAが含まれていない糞から検出されることがわかった。このことから、ユキヒョウは消化管が空の時に、この植物を食べていることが示唆された。まず空腹時に何かを噛みたいという衝動からMyricaria属の枝をかじっているという仮説が考えられた。別の仮説としては健康状態が悪く、餌を捕れなくなっている個体が薬効利用のためにMyricaria属を摂取している可能性も考えられた。 研究期間を通じて実施した研究の成果は博士論文としてまとめ、所属期間に提出し受理された。また、野生ユキヒョウ糞中の植物と餌動物の関係について、11月に The 18th International Symposium on Primatology and Wildlife Scienceにて口頭発表を行った。加えて、国際誌 Royal Society Open Scienceに提出し受理された。
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