Project/Area Number |
22KJ1757
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Project/Area Number (Other) |
21J23610 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 90020:Library and information science, humanistic and social informatics-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
温 秋穎 京都大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | NHKラジオ・テレビ「中国語講座」 / 中国語学習 / 中国認識 / 教養 / 音読と訓読 / 漢文 / 中国語受容 / 日中文化交流 / メディア史 / 戦後史 / 日中関係 / 中国語教育 / メディア研究 / 言語使用 / 日中関係史 |
Outline of Research at the Start |
情報化とグローバル化の進展によりますます緊密になる日中関係において、相互理解のための知の地平となる言語学習の問題は回避できない。この異文化コミュニケーションに対する理解を深めるにあたり、戦前のラジオ「支那語講座」を起点として、大衆的な「声の文化」の連続性を有するNHK「中国語講座」は、最重要な研究対象である。日本社会が中国語をどう受け止めたのかを、その時代の日中関係や日本放送協会の言語学習方針の変遷を踏まえて、本研究では中国語的知の流通という問題における中国語学習の展開を貫戦史として描き出したい。その成果は今後の日中文化交流の発展にも大きく寄与するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度に、本研究期間全体を通じた研究と考察を、博士論文「〈声〉の中国語受容の文化史研究―もう一つの教養語をもとめた近代日本」においてまとめた。今年度の研究成果を以下の学術論文と研究報告においてまとめて発表した。 ①温秋穎「NHKラジオ・テレビ「中国語講座」の戦後史―日中国交正常化前の語学学習と中国認識」『メディア史研究』第53号、2023年2月、125-150頁。 本稿は、1952年から1972年頃にかけての中国語講座を研究対象として、言語教育の素材と教学の方針を定めた講師、番組の在り方に関心に寄せた学習者がそれぞれ、いかなる思惑を持って中国語に接近していたかを考察した。その上で、中国語講座という語学学習のメディアと、戦後の中国語学習という行為およびその行為に含まれる中国認識との相互関係について、初歩的な分析を試みた。 ②2023年9月に豪州日本研究学会研究大会において、「「教養」としての中国語はいかに創られたのか―戦後の東京大学 E クラスとその周辺 」を題とする報告を行った。Eクラスが誕生した経緯にかかわる占領期の教育改革と新制東京大学教養学部の理念を概観した上で、中国語を「教養」として探求した専任講師の工藤篁の教育方法と教育理念を分析し、Eクラスで養成された中国語に対する態度が、課外活動と学生運動を通して他大学や学会に拡散し、社会と対話していった過程を考察した。 ③2023年12月に京都大学人文科学研究所付属現代中国研究センター「20世紀中国史の資料的復元」共同研究班で「戦前の中国語教育改革者が見た音読と訓読:支那語学会と倉石武四郎を中心に 」を題とする報告を行った。1930年代に中国語教育の改革を志した岩村成允と倉石武四郎を代表とする戦前の中国語界の有識者が中国語の音読が漢文科目、漢文の訓読法とどのような関係にあるべきと捉えていたかといった改革案の論述に着目した。
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