Project/Area Number |
22KJ1787
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Project/Area Number (Other) |
22J01543 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 健史 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 経済的意思決定 / 報酬 / リスク / リターン / 光遺伝学 / 神経デコーダ / マカクサル / デコーディング / 皮質脳波 / 次元削減 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,感覚入力に先行する予測的眼球運動を制御する意思決定機構の解明に取り組む。具体的には,非ヒト科霊長類であるマカクサルに心理物理学手法,電気生理学手法,計算論的手法,および光遺伝学手法を適用し,過去の感覚的証拠の蓄積による予測の生成,報酬関連情報との統合,および運動指令への変換に関わる神経機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である,柔軟な意思決定に係る脳内メカニズムの解明に向け,前年度に引き続き,複数の意思決定パラメータを持つターゲットの脳内表現の解明とそれらを用いた意思決定の解読に取り組んだ.具体的には,さまざまな報酬確率と期待値との組み合わせから成るターゲットを用いた報酬依存的意思決定課題中のマカクサルの外側前頭領域に皮質脳波電極を留置し,記録した脳活動データからサルの意思決定のデコーディングを試みた.加えて,上記の報酬依存的意思決定を支える神経回路を特定するため,光遺伝学手法を用いて腹側被蓋野-前頭皮質回路を選択的に活性化し,観察されたサルの意思決定における嗜好性が外側前頭領域の脳波活動から解読可能かを検証した. 前年度に構築した神経集団活動の次元削減+デコーディング解析により,サルの意思決定の嗜好性を十分に高い精度で予測でき,さらにこの結果が3頭のサルで再現可能であることを確認できた.また,当該手法により,光遺伝学手法を用いた腹側被蓋野-前頭皮質投射経路の選択的活性化実験によって得られた,回路特異的なサルの嗜好性の変化を捉えることができた.具体的には,腹側被蓋野からBrodmann area 6腹側部に投射する経路のうち,腹側部(area 6VV)への経路を活性化させるとリスク嗜好性が増大し,背側部(area 6VD)への経路を活性化させるとリスク嗜好性が低下するという行動の変化を,神経デコーダによって再現することができた.以上より,報酬依存的意思決定におけるリスクとリターンのバランスを決定する神経メカニズムを,神経回路操作および神経計算論の両観点から明らかにすることができた.上記の成果は,2024年1月にScience誌に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に構築したデコーディング解析が混合選択性を持つニューロンが豊富な前頭領域から複数のパラメータを同時に解読できること,およびその解析手法によって回路操作による行動の変化を予測できることを実証したことにより,本研究で解決すべき重大な解析的課題をクリアできたといえる.また,これらの成果をまとめた論文を発表することもできたため,進捗としては順調であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は構築された解析手法が眼球運動の制御を伴う意思決定に適用可能かどうか,また報酬を伴わない意思決定において,得られた知見がどのように関連しているのかを検証する.加えて,ヒトのデータと比較し,種間の行動の違いと神経表現との関係についても検証を行う.
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