Project/Area Number |
22KJ1816
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Project/Area Number (Other) |
22J12185 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention (2023) Kyoto University (2022) |
Principal Investigator |
瀧下 恒星 (2023) 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 火山防災研究部門, 契約研究員
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Research Fellow |
瀧下 恒星 (2022) 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 桜島 / ブルカノ式噴火 / Fingering / 3次元形状 / 火山灰 / テフラ分離プロファイル / 質量噴出率の時間変化 |
Outline of Research at the Start |
山岳地形に依存した気象場に影響を受けやすい,桜島の中小規模の噴火を対象に,降灰予測手法を高精度化する。まず,与える気象場を高精細化する。次に,高精細化された気象場を用いた降灰シミュレーションにより,降灰粒子の落下速度観測をもとに,噴煙から分離する火山灰粒子の重量分布の鉛直プロファイルの時間変化モデルを提案し,降灰予測シミュレーションに与えて,降灰量の時間変化と照合することにより,その妥当性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度に明らかにした桜島の小・中規模での火山灰の積算鉛直プロファイルについて,論文での公表を行った。この論文の中で,Fingering現象により加速した粒子の落下速度を桜島の小・中規模における降灰シミュレーションで考慮するための支配方程式を,室内実験に基づいて提案された式に当該噴火に対して適切なパラメータを代入して求めた。この落下速度の式から,Fingerを構成する粒子の粒径範囲が,桜島島内の地上で採取された火山灰粒子の粒径範囲と整合的であることを確認し,今後この式を移流拡散モデルに実装して降灰シミュレーションを行う構想を練った。今年度中にモデルの改良は完了しなかったものの,引き続き本課題に取り組み近年中にモデルの改良ができると期待される。 また,ディスドロメータによって観測された4年間の桜島ブルカノ式噴火の降灰データを解析し,火口直上の海抜約1500mの地点における風向が地表に火山灰が到達する範囲を制約することが明らかになった。この成果は,今後の桜島以外における効果的な降灰観測網の整備に資すると考えられ,降灰予測の改良の過程で必要観測事例を効率的に得ることに貢献すると期待される。 さらに,現所属機関が所有する粒度分析装置を用いて,極端な形状を持つ粒子の形状を計測した。当該装置は,グレースケール画像に基づいて透明度が測定できるため,3次元形状を見積もり平板状粒子を判別する事ができた。平板状粒子の終端落下速度は,2次元形状から求められた速度の約半分であると見積もられ,3次元形状を考慮することが極端な形状の粒子を放出する噴火事例では重要であると示された。これらの成果を学会で口頭発表し,論文投稿の準備も進めた。 このように,観測と計算の両方において降灰予測技術を向上させることができた。
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