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古墳出現期における土器生産体制と地域間交流

Research Project

Project/Area Number 22KJ1948
Project/Area Number (Other) 22J20805 (2022)
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund (2023)
Single-year Grants (2022)
Section国内
Review Section Basic Section 03050:Archaeology-related
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

式田 洸  京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Keywords古墳出現期 / 土器 / 編年 / 生産体制 / 広域 / 地域間交流 / 製作技術 / 技術伝播
Outline of Research at the Start

弥生時代から古墳時代へと移る古墳出現期(3世紀前後)の土器研究は活発な地域間交流を明らかにしてきた。また、地域によっては、この時期に土器生産体制の変化もみられる。これらの背景には古墳の出現に象徴される大きな社会変化が想定され、その変化の実態を解明するための基礎的な分析が土器研究に求められている。
本研究では、西日本を中心に、この時期の土器生産を考える上で重要な地域をいくつか取り上げる。そして、地域ごとに、土器の詳細な観察に基づく製作技術的研究を通して土器生産体制の変遷過程を解明する。さらに、広域的な視点から、各地の分析を連接することにより生産体制の変化も合わせて地域間交流の実態を明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は筑前地域を主な対象地域として研究に取り組んだ。特に、発掘調査で出土した資料を実見観察する資料調査に重点を置いて研究を進めた。筑前地域では、古墳出現期に畿内地域に系譜を持つとされる土器群が出現するが、実際に資料にあたり、製作痕跡を観察することで、これまでに実見してきた大和地域や中河内地域の資料との比較を可能にすることができた。これと併行して、時間軸を構築する編年研究も進めている。当初、筑前地域全体での編年を組み立てる予定であったが、本地域では、小地域ごと、または遺跡ごとの土器の様相差が激しいことから、より狭い範囲を単位として分析を進め、それぞれの単位間の併行関係を明らかにすることで筑前地域全体の様相を把握するという方針へ切り替えた。この筑前地域の土器編年が完成すれば、中河内地域や大和地域の土器編年との併行関係も踏まえ、具体的な伝播過程の復元を進めたい。また、製作技術的検討を基礎とした生産体制の研究についても、資料調査から得られたデータをもとに、編年研究と対照させつつ、作業を進めている。
その他の地域については、まず、2022年度におおよそ分析を終えていた吉備南部地域の土器生産体制に関する研究を論文として投稿中である。中河内地域と大和地域については不足していた分の資料調査に取り組み、これを完了させることができた。両地域については、土器編年、生産体制に関する分析を継続しており、おおよそその全貌をつかむことができた。また、尾張地域について、基礎的な資料の収集に取り組み、こちらもおおよそ完了させることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は地域ごとにそれぞれ研究を進めているため、ここでも地域ごとに進捗状況を記述する。具体的に本年度研究対象とした地域は筑前地域、吉備南部地域、中河内地域、大和地域、尾張地域の5地域である。
まず、今年度主な研究対象地域とした筑前地域については、予定していた資料調査を全て終えることができた。具体的な土器編年に関する研究と製作技術的検討に基づく生産体制の研究は継続中であるが、おおよその方針は固めることができた。したがって、本地域についての進捗状況はおおむね順調と言える。
吉備南部地域については2022年度にほとんど分析を終えており、今年度は成果の発表を残すのみとなっていた。論文の発表まではたどりつかなかったが、現在、成果論文を投稿中であり、進捗としては悪くない。
中河内地域と大和地域に関しても予定していた資料調査をすべて終えることができた。土器編年に関する研究、製作技術的検討に基づく生産体制の研究ともにおおよそ分析を終えており、残るは他地域の動向を参照して細かな修正をするのみである。したがって、本地域についても進捗状況はおおむね順調と言える。
尾張地域については今年度研究を始めた地域であり、報告書から検討に耐えうる資料をピックアップする作業である基礎的な資料の収集にとどまった。本格的な研究は来年度となるが、その基礎となるデータはおおよそ揃えることができたので、こちらも進捗状況はおおむね順調と言える。
以上、地域ごとに進捗状況を述べたが、基本的にはどの地域も予定していた研究はおおよそ終えることができたので、「おおむね順調に進展している」と評価した。

Strategy for Future Research Activity

まずは、現在取り組んでいる尾張地域の研究を継続する。これまで他の地域で行ってきたのと同様に、土器編年に関する研究と製作技術的検討に基づく生産体制の研究を資料調査と併行させつつ推進していく。なお、筑前地域などこれまでに扱った地域についても可能な限り併行して検討を深めていきたい。
尾張地域の研究に目途が立った段階で、北陸地域の研究に進む。本地域についてもやはり同様の研究内容で進める。
ここまでで、おおよそ地域別の研究については完了したことになり、ここからは、広域的な土器研究へと進む。まずは、各地域の土器編年の併行関係を推定する。具体的には、各地域の資料の中から、他地域系土器を含む資料をピックアップして、それらを定点資料として併行関係を考える。これにより、広域的な土器編年網を完成させ、その時間軸を基準として、これまで地域別に行ってきた土器生産や地域間交流に関する議論を統合し、古墳出現期に土器をめぐって人々がどのような活動を展開したのかについて検討する。その過程で、これまで扱ってきた地域ごとの研究についても修正していく。また、ここまでで取り扱わなかった伊予地域、阿波地域、土佐地域、丹後地域、近江地域といった西日本における重要地域についても、可能であれば、補足的な研究に取り組みたい。そして、以上の土器研究で明らかにした成果を他の手工業生産についての考古学的成果と比較することや墓制や集落を中心とする分析から明らかにされてきた社会の変化についての議論と連接させることにより、弥生時代から古墳時代への移行過程を明らかにしたい。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Annual Research Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 吉備南部地域における古墳出現期土器の編年2022

    • Author(s)
      式田洸
    • Journal Title

      古墳出現期土器研究

      Volume: 第9号 Pages: 3-19

    • Related Report
      2022 Annual Research Report
    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2022-04-28   Modified: 2024-12-25  

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