Project/Area Number |
22KJ1953
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Project/Area Number (Other) |
22J21105 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森岡 たまき 京都大学, 地球環境学舎, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マイクロプラスチック / ナノプラスチック / 熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計 / 浮遊粒子状物質 |
Outline of Research at the Start |
マイクロプラスチック(粒径数μm-5 mm)は劣化によりさらに小さくなり、粒径2.5μm未満の微小粒子状物質になる可能性があるが、その分析法は確立されておらず大気中での動態に関する知見は少ない。本研究はこれまで測定が困難であった大気中の数μm未満のプラスチック(以下、ナノプラスチック:NPs)を対象に、粒径別に成分同定・定量する手法を開発し、各NPs成分の大気環境動態の把握することを主目的とする。膜分離や分画捕集、熱分解特性を利用した各NPs成分の同定・定量法を開発し、大気環境中のNPs各成分の存在実態を粒径別に明らかにするとともに、生物影響などの議論の際に使用する具体的な材料を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はこれまで測定が困難であった大気中の数μm未満のプラスチックの分析手法を開発した。熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(熱分解GC/MS)と分級捕集を組み合わせることで、粒径0.43 μm以上のプラスチックを同定・定量することが可能となった。これらの成果をまとめ、国際誌Chemosphereに、"The quantification of the airborne plastic particles of 0.43-11 μm: Procedure development and application to atmospheric environment”というタイトルで投稿した。 本手法を用いて、ネパール、タイ、日本の主要都市の中心地街の高さ約20 mの建物から屋外大気を分級捕集し、その微細化傾向や濃度の違いを調べた。総プラスチック質量密度は180~470 ng/m3で、ネパールが最も高かった。ポリエチレンやポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステルなど日用品や繊維素材として用いられるプラスチックは3都市でナノサイズまで微細化して存在した。ポリ塩化ビニルやポリカーボネートは、日本と比較してネパールやタイで数μm未満の質量濃度が高かった。タイヤのゴムに使用されるSBRはネパールで数μm未満の質量濃度が高く、後発開発途上国で微細化が進行していることが示唆された。この成果について、第58回日本水環境学会年会で口頭発表を行った。さらに大気中のマイクロ・ナノプラスチック汚染の規模を調べるため、京都府、滋賀県にて標高別に地表1 m~1000 m以上の地点で大気を分級捕集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主目的はこれまで測定が困難であった粒径数マイクロからナノサイズのプラスチックを分析する手法を開発し、各ポリマーについて大気中の存在実態を明らかにすることである。本年度で大気中のプラスチックの分析手法の開発を終了した。また大気中のプラスチック存在実態調査と分析もおおよそ終えた。以上より、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、大気中のプラスチックの存在実態を把握するための調査と分析を終了し、その結果をまとめる予定である。大気粒子中の各粒径のプラスチック存在量やポリマー種について、地域、標高別にその違いを明らかにし、大気中の他の粒子成分と比較した生物影響の度合いや重点的な対策が必要な地域について考察することで、本研究の主目的を達成する。
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