Project/Area Number |
22KJ1988
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Project/Area Number (Other) |
22J22737 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江 子正 京都大学, 法学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 人種平等提案の形成 / パリ講和会議 / 人種平等提案 / 北京政府外交 / 大正日本外交 / 国際関係史 |
Outline of Research at the Start |
「五大国」の一員として第一次世界大戦の戦後秩序を定義するパリ講和会議に参加した日本は、会議では「沈黙」の立場を採ったため、当時の世論及び従来の先行研究では「サイレント・パートナー」と評されている。さらに、日本の「サイレント」という現象に対して、「外交理念の欠如」いわゆる「理念なき外交」という解釈が提示されてきた。しかし、申請者の研究では、日本は実際「センシティブ・パートナー」であり、さらに、人種平等提案を通して、普遍主義的戦後秩序に積極的に関与・理念表明をしようという意欲から、「理念的外交」として人種平等提案を出したという再評価に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年はまず、パリ講和会議における人種平等提案の形成について研究を深めました。すでにまとめられ、査読雑誌に投稿済みであり、結果を待つ次第です。さらには、パリ講和会議開催される前に英米それぞれ人種平等問題への態度について論文をまとめました。今は最終修正の段階に入り、四月中に指導教員に提出してご意見を仰ぐ予定です。第三は、RethinkingChina’s Support for the Japanese Racial Equality Proposal at the Paris Peace Conferenceという英語論文をまとめました。国際紙のJOURNALに投稿済みであり、英語表現の問題に関して何回の修正も要請されて今続いて査読中ですが、結果を待つ次第です。資料調査の面では、2023年度中に、日本国内であれば東京のほか日南市にある小村記念館に訪問し、海外の場合は、ロンドン・ケンブリッジ・パリ・ベルリン・ワルシャワ・ボストン・プリンストン・ワシントンDC・シアトルなどで資料調査をしまして、一次資料の収集の面では大きな進歩が見られ、博論の完成は現実的なものになってきました。そして、短期留学も積極的に行いました。具体的には、前半はケンブリッジ大学、後半はハーバード大学においてそれぞれ二ヵ月未満の留学をいたしました。 学会報告の面では、シアトルにて開催されたAssociation for Asian Studies 2024 Annual Conferenceでパネル報告を行い、アメリカ学界の意見も初めていただきました。更に一番重要なのは、第51回国連史コロキアムでも報告を行い、最重要な先行研究の先生の方を含め、いろいろ的確なご指摘をいただき、大変勉強になりました。今年の博論執筆にとって極めて贅沢でありがたい機会でした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全体としては計画以上の進展が見られたと思います。 まず、論文の執筆について、審査結果を待つところですが、無事かつ順調にヨーロッパやアメリカで集めた史料を活用し、完成度とオリジナリティが高い論文をまとめました。 さらに、学振奨励費のおかげでケンブリッジ大学・ハーバード大学にてそれぞれ二ヵ月海外留学をして、世界最先端の日本史教育を体験しながらも、より日本での勉強と研究のやり方を相対化することができました。日本的なしっかりした実証主義と欧米教育での分析の深さをバランスとって精進していきたいです。さらに、先生のアドバイス・ご指摘などはもちろん、両大学で優秀な同世代の若手研究者とも交流を深め、自分の研究の足りないところについてもより把握できるようになりました。 学会報告の面でも、AASという世界最大規模のアジア学会で報告し、最先端のご意見をもらいました。日本でも、明治学院大学で開催される国連史コロキアムで報告し、日本最前線の先生たちのご指摘やコメントをもらい、博論執筆にありがたい機会をいただきました。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は、科研費(奨励費)的には余裕がそれほどありませんが、オーストラリア国立大学で短期留学をし、台湾で開催されるEACJSで学会報告に参加したい。また、東京にて最終的な資料調査をしながら、京都大学の所属される奈良岡スクーリングで研究報告を行い、今年度中に博論を提出する予定です。
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