Project/Area Number |
22KJ2101
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Project/Area Number (Other) |
22J00258 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樋口 智香 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 卵母細胞 / ミトコンドリア / mtDNA / 原始卵胞 / 体外培養 |
Outline of Research at the Start |
卵子形成過程において排卵に至る卵子へと分化するのはわずか0.1%程度である。そのため排卵に至るまでの間、卵母細胞の質を管理する「品質管理機構」の存在が示唆されているが、その詳細な分子制御は未だ不明である。本研究では、卵母細胞の品質管理機構の解明を目的とし、卵細胞系列で生じる変異ミトコンドリアDNA (mtDNA)の排除に着目する。そこで、変異mtDNAを有するiPS細胞と、独自の卵母細胞の体外分化誘導系を用いることで、卵母細胞系列における変異mtDNAの排除機構を再構築する。さらに変異mtDNAを追跡し、その排除に関与する因子の同定を行うことで、変異mtDNAの排除機構の理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、卵細胞系列における変異型mtDNAの排除時期の詳細な時期を明らかにすることを目的に、静止状態を模した原始卵胞卵の長期培養系の確立を中心に行なった。 (1)原始卵胞卵の長期培養系の確立:昨年度までの研究実施から卵細胞分化誘導系において静止状態にある原始卵胞卵を培養する必要性が生じた。これまでに静止状態である原始卵胞の誘導は低酸素濃度(5%O2)と外的圧力(33.3-100 kPa)下での原始卵胞卵誘導系により確立されていたが、長期に静止状態を維持することは出来ていなかった。そこで培養系を改良することで、100日以上静止状態を維持して培養可能な系を新たに確立した。 (2)原始卵胞卵における変異型mtDNAの割合の測定:上記で確立した培養系を下に、変異型mtDNAをもつiPS細胞由来の原始卵胞卵の培養を試みた。直径20μmより小さいサイズであり、かつStella-tdTomatoの蛍光が確認された卵母細胞を回収し、変異型mtDNAの割合の測定を行なった。今後は、変異型mtDNAの排除様式の決定と、制御因子の同定を進める。 (3)点変異mtDNAをもつES細胞の樹立:異なる変異型mtDNAでの排除機構について検証するために、点変異mtDNAをもつモデルマウスより新たにES細胞を樹立した。これまでに構築した実験系と同様、今後は樹立したES細胞についても卵細胞分化誘導系の構築を行う。これにより異なる変異型mtDNAにおいても排除機構が存在しているかを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
休眠状態を模した卵母細胞を含めて各発生ステージの卵母細胞における変異型mtDNAの定量まで達成した。一方で、今年度目標としていた変異型mtDNAの排除様式の決定については、遅れた状況となっている。その理由としては、現在使用しているiPS細胞株では卵母細胞分化誘導により得られる卵母細胞の数が少ないためである。これまでの定量結果から、排除様式の推測が可能であるが、確証が得られるまでとは至っていない。このことから、研究の進捗はやや遅れていると評価している。今後、排除様式の決定と同時に、変異型mtDNAの制御因子を同定する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の実績を踏まえ、2024年度は以下の項目を実施する。 (1)点変異mtDNAをもつ卵細胞分化誘導系の構築:これまでに確立した変異型mtDNAでの実験系と同様に、Stella-tdTomatoレポーターES細胞を作製する。さらにこのES細胞を起点に卵細胞分化誘導を行い、各発生ステージでの変異型mtDNAの割合を定量する。定量については、これまでPCR-RFLP法により割合の判定を行なってきたが、シングルセルで定量する方法を新たに確立する必要があり、現在進めているところである。 (2)変異型mtDNAの排除様式の決定:変異型mtDNAの排除様式として、変異型mtDNAをもつ卵母細胞が排除されているか、卵母細胞内において変異型mtDNAが排除されるかの二つを検証する。 (3)変異型mtDNAの制御因子の同定:ミトコンドリア関連遺伝子の発現抑制、ミトコンドリア選択的なオートファジー(マイトファジー)遺伝子の発現に関与する遺伝子に焦点をあてる。この遺伝子の下流制御が変異型mtDNA の排除に関与するとの仮説を立て、卵母細胞へ過剰発現によりの下流制御との関連性を調べる。これにより変異型mtDNA の排除を制御する因子を同定する。
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