Project/Area Number |
22KJ2110
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Project/Area Number (Other) |
22J10002 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 寛 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | dilation不等式 / 対数ソボレフ不等式 / Cramer-Rao不等式 / Kahane-Khintchine不等式 / volume product / Blaschke-Santalo不等式 / Mahler予想 / hypercontractivity / 凸幾何学 / 関数不等式 / 熱流 / 相対エントロピー |
Outline of Research at the Start |
高次元凸幾何学の文脈において,Borellの補題は凸集合の相似拡大に関する測度の集中として古典的に利用されてきた.その最良版を今日ではdilation不等式と呼んでいる.この不等式は等周不等式に類似した不等式であるが,スケール不変性をもつなど等周不等式とは異なる側面ももつ。本研究では,dilation不等式に関連する幾何的・解析的不等式の性質を解明し,その性質を通して空間の幾何学的な構造の探索や従来から知られている等周不等式との関連性を調べていくことを行う.特に本研究期間では,従来のユークリッド空間上で得られた解析的成果をリーマン多様体上に拡張することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では大きく分けて二つの問題に関する研究成果を得た.一つ目はdilation不等式に関する成果であり,もう一つはvolume productに関する成果である.いずれの問題も凸幾何学に起源を持つ問題である. dilation不等式とは集合を相似拡大した場合のある種の周長の変化を制御する不等式であり,等周不等式と似た不等式として理解される.本研究ではdilation不等式と等価となる解析的な不等式を調べることを行った.より具体的には,相対エントロピーを用いることによりdilation不等式と等価となる関数不等式が構成できることを明らかにした.この不等式は対数ソボレフ不等式や不確定性原理のようなものと似ている不等式であり,特別な場合に実際にそれらの不等式を導くことも確認できた.またKahane-Khintchine不等式やdeviation不等式などを導くことにも成功した.これらは従来のdilation不等式における重要な応用の一つであり,本研究ではそれらをある種拡張した成果を得た. またvolume productとは凸体とその偏極体の体積の積によって与えられる量である.特に凸幾何学においてvolume productを最大化・最小化する凸体を求める問題が考えられており,それぞれBlaschke-Santalo不等式・Mahler予想として知られている.本研究ではvolume productの熱流を通した新しい解析的理解を与えることに成功した.特にこれらの問題がhypercontractivityと呼ばれる解析的現象と関係していることを明らかにした.この新しいつながりを解析することにより,Blaschke-Santalo不等式の熱流による証明をあたえ,またvolume productの特別な凸体に対する新しい下限を求めることに成功した.
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