Project/Area Number |
22KJ2113
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Project/Area Number (Other) |
22J10325 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堤崎 暁 (2023) 大阪大学, 人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(DC2)
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Research Fellow |
堤崎 暁 (2022) 大阪大学, 人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ジョルジュ・サンド / ピエール・ルルー / 社会主義 |
Outline of Research at the Start |
19世紀フランスの女性作家ジョルジュ・サンドの社会主義小説に関して、主に哲学・思想の観点から分析を行う。その際、サンドと同時代の思想家ピエール・ルルーからの影響、特に、ルルーがその重要性を唱えた「連帯」や「自己愛」の概念がサンドの作品の中でどのように表象されているかに着目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
19世紀フランスの女性作家ジョルジュ・サンドの社会主義小説に関して、主に哲学・思想の観点から分析を行った。2023年度には、まず、サンドと同時代の思想家ピエール・ル ルーがサンドの社会思想に与えた影響について検討するために、ルルーによって書かれたテクストの分析、およびそれに関する先行研究の調査に取り組んだ。そ の際、とりわけ、サンドに大きく影響を与えたと考えられる「慈愛」、「友愛」、「連帯」、「友情」等の概念の捉え方に着目した。次に、これによって得られ た情報を念頭に置きながら、サンドの著作(『フランス巡歴職人』、『アントワーヌ氏の罪』、『我が生涯の記』、『黒い町』)の読解に取り組んだ。特に『黒 い町』に関しては、物語を通して「友情」という感情に関して作家独自と思われる考察が展開されていることが確認できた。この内容に関しては、2022年に日本 フランス語フランス文学会関西支部大会で行った口頭発表の内容をもとにして、大阪大学フランス語フランス文学会発刊の『GALLIA』第63号に論文投稿を行っ た。また、2023年11月からはParis Est Creteil大学の博士課程に登録し、指導教員であるDamien Zanone教授が携わる、女性作家や自伝文学に関するセミナー等 に参加しながら、資料調査と当該研究の総括を行った。 本研究の期間全体を通して、ルルーの影響を色濃く受けたサンドの社会思想は、具体的な社会・政治の体制を構想することよりも、人類全体の連帯や団結を強調する道徳的な側面が強調されており、社会主義小説においては、当時の不平等な社会を背景にして、社会と個人との不安定な関係をしながら、慈愛や友情、自己愛など、古来から分析の対象とされてきた人間の内面の動きを綿密に描き出すという独自のスタイルを確立した(しつつあった)という結論が得られた。
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