Project/Area Number |
22KJ2147
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Project/Area Number (Other) |
22J12094 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
綱澤 広貴 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 日本近世史 / 武家奉公人 / 藩政機構 / 広域支配 / 津山藩 / 大庄屋 / 近衛家領 / 惣宿老 / 大名家臣団 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、これまで都市史や労働史のなかで扱われ、単純労働力としてのあり方が強調される武家奉公人について、下級役人として藩政機構で勤務した階層に着目し、藩政史や地域社会史的観点から分析を試みるものである。 なかでも、美作国津山藩を主な分析対象として、支配機構における武家奉公人の位置づけや、大庄屋などの村役人との関係、下級家臣への登用などについて分析し、近世中後期の社会変容と藩政の関係を論じる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、美作国津山藩を対象として、近世中後期以降の藩政機構の変容について、主に武家奉公人の役割に着目し、身分制原理の弛緩や地方支配の展開について検討するものである。本年度は昨年度に引き続き、①地方支配を担う武家奉公人の集団化について、藩政と幕政との関係という視点から②寛政期の広域的な盗賊取り締まりに関する研究に取り組んだ。 ①については、津山藩文書である「愛山文庫」の日記史料の分析により、武家奉公人を支配機構に登用する主体が奉行職であること、それにより職能や「精勤」が重視されたことを指摘した。そのうえで、武家奉公人から武士に登用される者の類族改に関する史料から、19世紀における武家奉公人の婚姻関係の変容の在り方と、幕府代官手代との差異について解明した。 ②については、これまで幕府を主体とし、さらに畿内と関東の分析を中心に論じられてきた、個別領主では解決できない広域的な問題への対応について、寛政期の盗賊取り締まりを素材として、中国筋における在り方を分析した。史料は津山藩郡代所史料を主に検討した。中国筋では、畿内や関東に比して個別所領を越えた幕府の広域的な支配は積極的に実施されず、幕府を主体としない領主間の固有の取り決めによって、その問題への対応が図られた、また、その取り決めの締結過程について明らかにした。 以上の分析を通じて、武家奉公人の藩政機構における位置とその変化、及び地方支配の転換において果たした役割について研究を進めることができた。また、幕府の全国支配に対する個別領主(大名)の領主権の自律的側面についても明らかにした。
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