Project/Area Number |
22KJ2160
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Project/Area Number (Other) |
22J13244 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 53050:Dermatology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
待田 大輝 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 上皮ー間充織相互作用 / 細胞外マトリックス / 基底膜 / ラミニン / 皮膚 / 毛包 / 線維芽細胞 / 毛乳頭細胞 |
Outline of Research at the Start |
上皮―間充織相互作用は基底膜を境界として成立するが、基底膜がどのように関与するかは理解が進んでいない。本研究では、毛包の発生と再生を司る毛芽(上皮)と毛乳頭(間充織)の相互作用に着目し、この部位の基底膜が毛芽と毛乳頭間の相互作用を制御する分子メカニズムを解明する。そのために、毛包の再生周期に伴う基底膜の分子組成と構造の変化を解明する。さらに、毛乳頭細胞の培養系に基底膜分子の組換え蛋白質を与え、毛乳頭の活性を維持・賦活化する基底膜分子の同定と、その制御メカニズムを解明する。本研究は毛乳頭の活性化・維持機構の解明に資するのみならず、毛乳頭の生体外培養技術の発展にも寄与すると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
上皮―間充織相互作用は基底膜(シート状の細胞外マトリックス(ECM))を境界として成立するが、基底膜がどのように関与するかは理解が進んでいない。本研究では、毛再生を司る毛芽(上皮)と毛乳頭(特殊な線維芽細胞の凝集塊)の相互作用に着目し、この部位の基底膜が毛芽と毛乳頭間の相互作用を制御する分子メカニズムの解明を目的とした。これまでの研究で、毛乳頭細胞は、線維芽細胞であるにも関わらず、周囲が間質のECMではなく、基底膜のECMで構成されていることを明らかにしていた。毛包は周期的に再生するため、毛芽―毛乳頭間の相互作用様式も周期的に切り替わる。従って、毛乳頭のECMも、毛包の再生と同調して変化すると予想した。そこで、免疫組織染色で毛包の再生周期におけるECMの局在を解析したところ、毛乳頭の周囲には常にラミニンα1, α2, α4が沈着し、休止期特異的にラミニンα5が毛芽との境界の近くにフック状に沈着していた。毛乳頭細胞がこれらECM分子と接着するか明らかにするため、細胞接着アッセイを実施した。毛乳頭細胞はα5鎖を含むラミニンには低濃度から接着し、α1鎖, α2鎖, α4鎖を含むラミニンにはより濃い濃度から接着した。毛乳頭細胞とα1鎖, α2鎖を含むラミニンの接着はインテグリンα7β1が、α5鎖を含むラミニンとの接着はインテグリンα3β1が、α4鎖を含むラミニンとの接着はα3, α6, α7サブユニットを含むインテグリンが仲介していた。FACSにより、毛乳頭細胞は通常の線維芽細胞よりもインテグリンα3とα7を高発現することを確認した。これらから、毛乳頭細胞はラミニンと接着するために特化された線維芽細胞であり、ラミニンは毛包の再生周期に応じて毛乳頭細胞との接着活性が異なる足場を提供することで、毛再生に関わる可能性が示唆された。この成果に基づく毛乳頭の3次元培養系の確立が期待される。
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