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オートファジーによる転移RNA分解と修飾ヌクレオシド排出の分子基盤

Research Project

Project/Area Number 22KJ2200
Project/Area Number (Other) 22J20794 (2022)
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund (2023)
Single-year Grants (2022)
Section国内
Review Section Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

久保田 満聖  大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
KeywordsRNA / RNA修飾 / 転移RNA (tRNA) / RNA分解 / オートファジー / 修飾ヌクレオシド / 出芽酵母 / 細胞外排出
Outline of Research at the Start

RNAは細胞にとって非常に重要な生体分子であり、その合成と分解は精巧な仕組みによって適切に制御されている。近年、RNAがオートファジーによって分解され、分解産物のヌクレオシドが細胞外に排出されることが示唆された。一方でRNA種の中の転移RNAのオートファジーによる分解の実態、分解産物の中の不要物である修飾ヌクレオシドの排出機構は不明である。そこで、出芽酵母の非必須遺伝子欠損ライブラリーを用いてこれらに関与する遺伝子の網羅的なスクリーニングを行い、得られた候補遺伝子がコードするタンパク質の機能を解析することで、転移RNA分解と修飾ヌクレオシド排出の詳細な分子機構を明らかにする。

Outline of Annual Research Achievements

申請者らは昨年度、出芽酵母の遺伝子欠損変異体ライブラリーを用いた網羅的スクリーニングを行い、修飾ヌクレオシド排出不全変異体(nex変異体)を複数同定した。
本年度は一部のnex変異体に着目し、欠損遺伝子がコードしているタンパク質が分解から排出のどの過程に関与しているか調べた。nex変異体のうちの一つ(以下nex1)について、nex1欠損細胞はオートファジー活性に大きく影響が見られないこと、細胞内の修飾ヌクレオシドの内、排出抑制が見られた修飾ヌクレオシド種が細胞内に蓄積していることを確認した。さらにNEX1遺伝子がコードしているタンパク質に蛍光タンパク質を付加した融合タンパク質を細胞内に発現させ蛍光顕微鏡観察を行ったところ、細胞膜に局在していることが示された。以上の点からnex1欠損細胞は分解産物の最終的な細胞外排出過程に不全が見られていることが示唆され、Nex1タンパク質が修飾ヌクレオシドを排出するトランスポーターとして機能していることが示唆された。
さらに、転移RNA (tRNA) のオートファジー分解について、リボソームのオートファジー分解(リボファジー)への依存性を検証するため、リボファジー不全細胞でのtRNA由来修飾ヌクレオシド排出量を調べた。その結果tRNAはリボファジーに依存せずに分解されていることが新たに示唆された。さらに網羅的スクリーニングからリボファジーは影響を受けず、tRNA由来修飾ヌクレオシド排出に特異的に不全が生じていると示唆される変異体(tRNA-nex変異体)を複数同定した。
本年度の研究から修飾ヌクレオシドのトランスポーター候補であるNex1の同定に加え、tRNAのオートファジー分解の新たな知見と、分解への関与が期待されるtRNA-NEX遺伝子を同定した。これらの遺伝子がコードするタンパク質の機能解析から本研究目的達成に向けての研究を進めていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は網羅的スクリーニングより同定された変異体について、tRNAがオートファジー依存的に分解され、その分解産物として生じる修飾ヌクレオシドが細胞外へ排出される一連の過程において、どのステップに不具合があるのかを遺伝学、分子生物学的解析手法を用いて調べた。研究の結果、トランスポーターとして直接的に細胞外排出に機能すると示唆されるタンパク質Nex1を同定した。またtRNAのオートファジー分解については、その分解の大部分がリボファジー非依存的であるということを明らかにした。さらに昨年度得られたスクリーニング結果からtRNA由来修飾ヌクレオシド排出に特異的に減少が見られ、tRNA分解に関与することが期待されるtRNA-nex変異体を複数同定した。本研究課題の最終目的である修飾ヌクレオシド排出のメカニズム解明に関して直接的に機能しているタンパク質を同定したことに加え、tRNA分解に関しても候補因子を絞り込むことができた点からメカニズム解明という研究目標に向けて概ね研究は順調に進捗していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

オートファジーによるtRNA分解、そして修飾ヌクレオシドの細胞外排出には、(1) tRNAの液胞内への輸送、(2) 液胞内分解酵素による分解、分解産物の(3) 液胞外への排出、(4) 細胞外への排出といくつかの経路に分けられると考えられる。今後は分解の場である液胞を中心とした解析を行う。オートファジー誘導条件下の出芽酵母細胞から液胞を単離し、スクリーニングにより同定されたnex変異体の中から特に(1)-(3)に機能するタンパク質を探索する。
(1)に関しては液胞内RNA分解酵素(Rny1)とtRNA-nexの二重欠損細胞の単離液胞を解析する。tRNAの液胞輸送を起こせる細胞の場合、rny1欠損によって液胞内tRNAが蓄積することが予測され、一方でtRNAの液胞輸送に機能するタンパク質との二重欠損細胞では液胞内のtRNA量がrny1単独欠損債細胞と比較して減少することが予測される。この単離液胞内のtRNA量の解析から、tRNAのオートファジーによる液胞輸送に特異的に関与する遺伝子の同定を目指す。(2), (3)については、nex単独欠損細胞での液胞内のRNA量と修飾ヌクレオシド量の蓄積からそれぞれ関与する遺伝子を精査する。また(4)に関してはnex1欠損細胞での解析を進めるとともに、Nex1の機能不全変異体を作成し、欠損細胞と同様の表現型が見られるかを確認するなどNex1の修飾ヌクレオシド排出における機能をより確度を高めて詳細に解析する。
これらの一連の解析からtRNAの分解から修飾ヌクレオシド排出までにおけるNexタンパク質の機能的グルーピングを行いそのメカニズムを網羅的に解明して行きたいと考えている。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Annual Research Report
  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] The GET pathway serves to activate Atg32-mediated mitophagy by ER targeting of the Ppg1-Far complex2023

    • Author(s)
      Onishi Mashun、Kubota Mitsutaka、Duan Lan、Tian Yuan、Okamoto Koji
    • Journal Title

      Life Science Alliance

      Volume: 6 Issue: 4 Pages: e202201640-e202201640

    • DOI

      10.26508/lsa.202201640

    • Related Report
      2023 Research-status Report 2022 Annual Research Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] オートファジーによるRNA分解と修飾ヌクレオシドの細胞外排出経路の解析2023

    • Author(s)
      久保田 満聖
    • Organizer
      第75回日本細胞生物学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] オートファジーによるRNA分解と修飾ヌクレオシドの細胞外排出経路の解析2023

    • Author(s)
      久保田 満聖
    • Organizer
      第46回日本分子生物学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] Get1/2 複合体はPpg1-Farホスファターゼ複合体を小胞体へ局在させることでマイトファジーに寄与する2022

    • Author(s)
      大西真駿、久保田満聖、岡本浩二
    • Organizer
      第55回酵母遺伝学フォーラム
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] Get1/2 複合体はPpg1-Farホスファターゼ複合体を小胞体へ局在させることでマイトファジーに寄与する The Get1/2 complex contributes to mitophagy by localizing the Ppg1-Far phosphatase complex to the ER2022

    • Author(s)
      大西真駿、久保田満聖、岡本浩二
    • Organizer
      第95回日本生化学会大会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report

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Published: 2022-04-28   Modified: 2024-12-25  

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