Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、希少がんである胸腺上皮性腫瘍オルガノイドを用い、悪性化に伴う分子機構の解明と新規治療薬の同定を行う。オルガノイド培養は細胞株に比べ、個々の患者の治療効果をより正確に反映するモデルとしても利用可能であり、創薬・新規治療法開発にも大きく寄与する事が期待されている。しかしながら、オルガノイド培養が応用可能なヒト臓器は未だ限られており、その樹立方法が確立されていない臓器も存在する。これまでに樹立報告のない胸腺上皮性腫瘍オルガノイドを樹立し、悪性度を規定する分子機構の解明と効果的な治療法の確立を目指す。
本研究の目的は胸腺腫瘍の病態解明および新規治療薬の探索を行うことである。昨年度に引き続き、長期継代可能なヒト胸腺上皮性腫瘍オルガノイドの培養系確立を試みたが、ノックアウト等を行い、分子生物学的な解析に有用な培養系の構築には至らなかった。具体的には、Wntシグナル、EGF、FGF、IGFなどのリコンビナントタンパク質を各種組み合わせて添加したが、オルガノイドの長期培養には不十分であり、長期培養可能な条件を見出すことはできなかった。また、細胞外基質として従来使用していたマトリゲルに加え、コラーゲンIなど代替基質の使用も検討したが、オルガノイドの長期培養に有用な条件を確立することはできなかった。一方で、当初の研究計画に含まれていた代替的アプローチとして、胸腺上皮性腫瘍の病態解明を目的に、FFPEサンプルからのRNA-seq解析を実施した。これにより、転移や予後との関連が示唆される遺伝子群の同定を行った。さらに、正常胸腺組織との比較のためにパブリックデータベースも用い、腫瘍組織において高発現を示す候補遺伝子としてEPN3やSHBGなどを同定した。これらの発現を免疫組織化学染色により組織型・転移の有無・生命予後について解析したが、RNA-seqおよびパブリックデータベースでの解析結果と一貫した結果を得ることができなかった。本研究により、ヒト胸腺上皮性腫瘍オルガノイドの長期培養の困難さが明らかとなり、今後の技術開発の必要性が再認識された。また、組織学的解析より病態に関与しうる新規マーカーとしての候補が得られた点は、今後の研究の基盤として重要な結果であると考えた。
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