Project/Area Number |
22KJ2212
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Project/Area Number (Other) |
22J21249 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒瀬 充 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / T細胞 / クローン病 / 組織常在性メモリーT細胞 |
Outline of Research at the Start |
炎症性腸疾患は腸管の慢性的な炎症を呈し、寛解と増悪を繰り返す疾患である。 所属研究室では先行研究において炎症性腸疾患の一つであるクローン病に特徴的なCD4陽性T細胞集団を発見しており、この細胞が細胞障害性を持つため、病態との関連が強く示唆されている。 本研究ではこのT細胞集団がクローン病においてどのような機序で誘導されるかを突き止めることで新たな治療薬開発の手がかりを見つけることを目的としている。 本研究ではヒトの腸管から得たT細胞に一細胞単位の網羅的な解析手法を用いることで、このクローン病に特徴的なT細胞に関わる転写因子を発見し、実際の細胞においてその転写因子を変化させることでその効果を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患は腸管の慢性的な炎症を呈し、寛解と増悪を繰り返す疾患である。臨床的な症状と病理所見からクローン病と潰瘍性大腸炎に分類され、近年は本邦も含め世界中で増加傾向にある疾患である。 本研究では複数のシングルセル解析手法を用いて先行研究において発見したクローン病に特徴的な細胞障害性を持つCD4陽性組織常在性記憶T細胞集団の詳細な解析を行い、クローン病の新たな治療ターゲットを発見することを目的としている。研究の方法としてはまず、炎症性腸疾患の腸管手術検体から単離した粘膜固有層単核球細胞を用いてフローサイトメトリーによってCD4陽性T細胞を分取した後に、その細胞を用いて単一細胞からRNAとオープンクロマチン領域の情報を得ることができるシングルセルMultiome及び、単一細胞からRNAと表面タンパクの情報またT細胞受容体の情報を得ることができるCITE-seqの二つの解析を施行した。そして、これらの実験から得られたデータを複数のバイオインフォマティクスを用いた解析手法を組み合わせることによって転写因子X、Yが先行研究において発見した細胞障害性を持つCD4陽性組織常在性記憶T細胞の誘導に関与していることがわかった。そしてこの結果から発展して実際にヒトのnaiveT細胞にこれらの転写因子をレンチウイルスベクターを用いて過剰発現したところ、この細胞障害性を持つCD4陽性組織常在性記憶T細胞を誘導することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クローン病の発症に関わるT細胞を誘導する転写因子を発見し、その解析を順調に進めている過程にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究で発見した転写因子をノックダウンすることでその細胞の機能がどう変化するかという解析を細胞やマウスを用いて行なっていく予定である。また、これらの転写因子が実際にDNAのどの領域に結合しているかCHIP-seqを用いて解析する予定である。さらには、T細胞におけるこれらの転写因子の発現と実際の臨床データ及び疾患活動性がどのように変化しているかを解析する予定である。
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