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ハンガリー国立民俗アンサンブルにみる政治性と行為主体性:社会主義期から現代まで

Research Project

Project/Area Number 22KJ2251
Project/Area Number (Other) 22J00591 (2022)
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund (2023)
Single-year Grants (2022)
Section国内
Review Section Basic Section 01050:Aesthetics and art studies-related
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

松井 拓史  神戸大学, 国際文化学研究科, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Keywordsハンガリー / 民俗アンサンブル / 社会主義 / 文化ナショナリズム / 民俗舞踊 / 民俗音楽 / 東欧文化史 / 冷戦
Outline of Research at the Start

本研究の目的は、これまで「社会主義イデオロギーのプロパガンダ装置」とされてきたMANEの活動を再検討し、MANEがハンガリー社会の諸条件や諸問題を反映する社会の縮図であるという新たな解釈を提示することである。この目的が達成されれば、その成果は社会主義期ハンガリーの文化史に関する実証的なものとなるだけでなく、冷戦研究や文化ナショナリズム研究といったより巨視的な分野への貢献ともなる。また、グローバリゼーションと右翼ポピュリズムの衝突という現代的状況における文化の機能という、きわめてアクチュアルな問題系へ接続するような議論を喚起できるものでもある。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、在外調査が主だった研究活動となった。1月11日から3月10日までブダペストに滞在し、国立セーチェーニ図書館およびハンガリー国立民俗アンサンブル(以下、ハンガリー語略称であるMANEと表記)の本拠地である「伝統の家」にてアーカイヴ調査を行なった。とりわけ伝統の家アーカイヴでは、未整理の状態で保管されている大量の一次資料を収集することができた。また、伝統の家スタッフでありMANE音楽部門での実務経験もあるヴァヴリネツ・アンドラーシュ氏とのインタヴュー調査も行なった。
この調査における大きな発見の1つとして、伝統の家アーカイヴで発見した資料の中に、MANE関係者にもほとんど認知されていなかった演目(Szamadas)の計画に関する記録を発見できたことが挙げられる。1959年から1960年にかけて、MANEは政治的内容を持つプログラムを2つ制作しているが、当初そこに含まれていたはずのSzamadasという演目が、最終的には実現されずに終わっている(当時MANEに在籍していた元メンバー複数名に確認したが、演目の内容はおろか、そのような計画があったこと自体がほとんど認識されていなかった)。MANE団内会議の議事録によれば、演目の内容に関する議論が複数回行われており、その結果、政治的な理由からSzamadasという演目は制作されなかったようである。これまでの自身の研究においては、これら2つの政治的プログラムにおいて「舞台上で何を表象すべきか」という観点からの分析を中心に行なってきたが、Szamadasが実現されなかった理由を明らかにできれば、「何を表象すべきではないか(不適切か)」という問いについて考えることが可能となり、MANEの舞台表象と実際の政治との関係性をより多角的に分析するための材料となる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題は、1951年に社会主義体制下のハンガリーで結成された民俗舞踊団の一種であるハンガリー国立民俗アンサンブル(以下MANEと表記)を主たる研究対象とし、その活動実態を同時代的な文化現象との相関において読み解きながら、MANEがハンガリー社会における諸条件、諸問題を反映する、いわば社会の縮図であるという新たな解釈を提示することを目的としている。
2023年度の研究活動においては、これまで確認できなかった一次資料を多数収集した。とりわけ、「研究実績の概要」欄に示した通り、MANE関係者にもその存在が知られていなかった演目の計画に関する資料を発見できたことは大きな成果であった。こうした在外調査および資料整理を昨年度から継続してきた結果、研究成果として公表すべき主題が一定数蓄積しているため、次年度は対外発表を中心とした活動方針へと切り替える。

Strategy for Future Research Activity

ハンガリー国立民俗アンサンブル(以下MANEと表記)の諸活動に関して、次に示す主題を研究論文にまとめて公表する。①1959年および1960年に制作された政治的内容を持つ2つのプログラムについて、②MANEの「民俗オーケストラ」の大部分を構成していたジプシー(ロマ)の楽師たちに関する1950・60年代の表象とレパートリーについて、③1970年代ハンガリーで興ったフォークリヴァイヴァルの一種であるダンスハウス運動とMANEの相関関係について。
過去2年度にわたる在外調査によって、これらの主題を研究論文としてまとめるための材料(一次・二次資料およびインタヴュー録音)はある程度収集が済んでいるため、2024年末まではそれら資料の整理および論文執筆を行い、2025年1月から3月にかけて追加の在外調査を行う。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Annual Research Report

URL: 

Published: 2022-04-28   Modified: 2024-12-25  

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