重症心身障害児・低出生体重児の衣生活支援と被服設計
Project/Area Number |
22KJ2265
|
Project/Area Number (Other) |
22J11781 (2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉良 美緯 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 重症心身障害 / 低出生体重児 / 生活支援 / KES / 力学・表面特性 / 熱・水分・空気の移動特性 / 身体寸法計測 / 被服設計 / 重症心身障害児 / 衣生活 / 物理特性 / KES / 介護支援 |
Outline of Research at the Start |
本研究は 重症心身障害児(者)・低出生体重児・介護者の 生活の質の向上を目的として、 肌に直接触れる素材の評価実験と、身体寸法の計測に取り組むものである。被験者が入院・入所する病院・施設、在宅介護等の現状にもとづく実験を、研究室において実施する。寝たきりで立位の取れない要介護者の人体計測は、被験者との距離を保ち、短時間で計測可能な深度センサを用いる。一般の新生児・児童と異なる環境で生活している低体重児・重症児(者)の生活環境に着目し、肌着・寝衣等に用いられる編布、病院・施設等で使用される医療用品を、実験試料として取りあげる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
常時介護を必要とする人と、介護者の生活の質の向上を目的として、(1)肌に直接触れる素材の特性と評価、(2)深度センサを用いた被服設計のための身体寸法計測を計画した。 (1)肌に直接触れる素材の特性と評価では、(1)-①繊維組成の異なる編布、(1)-②緊急事態宣言下でボランティア活動の一環として収集・製作したマスクの素材、(1)-③気管切開術を受けた患者が気管カニューレの固定に用いるホルダーを試料とし、KES試験機(㈱カトーテック製)を用いて物性を捉える実験を実施した。2020~2021年度は、試料単独の状態で力学・表面特性、熱・水分・空気の移動特性を測定し、2022年度以降は実際の着用場面を想定した実験へと発展させた。 2023年度は、介護を必要とする人の生活環境に着目し、子どもの敏感な肌や意思表示が困難な患者の顔・頸部等に触れる素材の物性を捉えることを目的として、(1)-③カニューレホルダーの力学・表面特性・熱移動特性の測定と、(1)-①編布および(1)-③カニューレホルダーの主観評価を実施した。(2)深度センサを用いた計測は、新生児集中治療室(以下:NICU)での計測を計画していたが、対象者を健康状態が安定している在宅療養児とその家族に変更し、ボランティア活動の参加者、放課後等デイサービスの利用者に「被験者募集のお知らせ」を掲示・配布して参加希望者を募り、計測を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)-①編布の実験では、素材が編布の触感性能に及ぼす影響を捉えることを目的として、ポリエステル、レーヨン、アクリル、綿、コラーゲンから成る同じ番手の糸から作成した編布を試料とし、力学特性、表面特性、熱・水分・空気の移動特性を測定し、風合い計算と、肌触りに関する主観評価を実施した。その結果、肌着に求める性能と各繊維の特性を踏まえた素材の選択や、外気の温湿度の違いに応じた着用方法の工夫によって、保温性を高めたり、衣服内湿度を低く保つことにつながり、要介護者の着脱動作・体温調節・褥瘡予防の一助になり得る特性が明らかになった。さらに、衣服内気候を想定した実験により、暑熱・寒冷環境下における特性も捉えることができた。(1)-③カニューレホルダーは、使用中に汗・唾液でぬれる状態を想定して、未使用の試料とともに含水状態で実験を行った。その結果、含水によって、全ての試料が未使用の試料よりも曲げ柔らかくなり、摩擦係数が増すことが明らかになり、装着時に少しでもホルダーが動くと、皮膚が擦れる可能性があることが示唆された。 (2)深度センサを用いた人体計測については、人を対象とする計測に先立ち、メジャー・深度センサを用いて円柱状の物体と医療用未熟児モデル(体重1500g)を計測した。未熟児モデルの計測値をふまえたパターン(型紙)を作成し、NICUでの着用を想定した構造の寝衣を製作した。所属研究科の倫理審査を経て、立位のとれる被験者・とれない被験者計23名を対象とした人体計測を実施し、計測値を解析中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は研究代表者の療養のため中断期間があり、当該年度中に予定していた発表計画に遅れが生じたが、実験およびフィールドワークに関しては概ね計画通りに実施することができた。それらの結果について今後、学会誌への論文投稿と、学術集会での口頭発表を予定している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)