Project/Area Number |
22KJ2313
|
Project/Area Number (Other) |
21J20383 (2021-2022)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢ノ下 智也 広島大学, 人間社会科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | ガワンタシ / 『縁起大論』 / 殺生 / 意思 / 救済 / 業道 / 引業・満業 / 凡夫 / 輪廻 / 黒白業 / チベット仏教 / 相互依存の縁起 / 聖者 / 業 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、ゲルク派の学僧クンタン・テンペー・ドゥンメの『縁起規定・教理蔵』とセー・ガワンタシの『縁起大論』の解読を通して、ゲルク派における業報思想を十二支縁起の観点から読み解き、その特徴を明らかにすることを目的としている。また、『縁起規定・教理蔵』と『縁起大論』で言及される様々なインド仏教文献について比較検討を行い、チベット僧院教本という生きた伝承の視点からインド仏教を再解釈することで、インド・チベット仏教における十二支縁起と業報思想の統一的見解を明らかにすることも目指している。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、チベット仏教ゲルク派の学僧ガワンタシ(1678-1738)著『縁起大論』のうち、「業の解説」中「他説の否定」「自説の設定」「論難の排除」の翻訳研究を完成させた。翻訳研究に基づき、以下の思想研究を行なった。
(1)前年度までに完成させた翻訳研究に基づいて、大乗仏教における「殺生」の問題をガワンタシの視点から再解釈することによって、業の善・不善の決定要因となるのは意思であるという仏教業思想の本質が、殺生という事例においても例外なく成立することを明らかにした。この成果を第33回西日本インド学仏教学会学術大会、日本印度学仏教学会第74回学術大会にて発表し、英語論文"Ngag dbang bkra shis's View of Killing"として公表した(Journal of Indian and Buddhist Studies)。さらに、その内容を発展させ和文論文「殺生をめぐるガワンタシの見解」として公表した(比較論理学研究)。(2)我々有情が自立性を欠如した形で人間に転生(輪廻)した際に、それぞれの有情には個人差が生じるという問題を考察した。ガワンタシによれば、この問題はすでにヴァスバンドゥの『阿毘達磨倶舎論』とアサンガの『阿毘達磨集論』の間に見解の相違が見られ、「引業」「満業」という二つの概念が鍵となっている。しかし、その議論はインド仏教の中では十分に解決され得ず、ガワンタシの見解を紐解くことが解決への糸口となる。これらのことを『縁起大論』の問答を分析することで、明らかにした。この成果は、今後雑誌論文として公表予定である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(16 results)