Hydrodynamic Design Principles of Uneven Shape extracted from Dragonfly wing and Sand Dunes
Project/Area Number |
22KJ2316
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Project/Area Number (Other) |
21J22603 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤田 雄介 広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 流体力学 / 昆虫飛翔 / 砂丘動力学 / 凹凸構造物 / 渦運動 / 死水領域 / 数値流体力学 / 流れ解析実験 / 生物飛翔 |
Outline of Research at the Start |
自然界にはながれと関係しているにもかかわらず流線型ではない凹凸形状が観察される.トンボ翼と砂丘はその代表例といえる.それぞれは,流れとの関係において翼性能の向上や,形成維持のメカニズムとの関係が示唆されているが,詳細な研究は不十分である. 本研究では流れと凹凸形状の関係に的を絞って理解することを考える.数値計算や実験により,トンボ翼や砂丘の凹凸形状をモデル化した模型周りの流れを解析し,流体力学的に考察する.最終的に,両者の研究を統合し,自然界に見られる流線型でない凹凸形状の普遍的機能やその設計原理を明らかする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は自然界にみられる複雑な形状をもつ物体周りの流れを解析し,その形状の流体力学的な特徴や形成のメカニズムについて考察することである.その具体的な対象として,トンボ翼や砂丘を設定している. 本年度前半は主に砂丘の研究を行った.特に,卓越風下で観察されるバルハン砂丘後方の流れ構造について検討した.具体的には,縮小砂丘模型を作成し,前年度中に整備した実験用水槽を用い,流れの可視化実験を行った.その結果,砂丘動力学の研究者らが予想していた内巻きのらせん渦とは異なり,外巻きのらせん渦構造が観察された.そしてこの結果について,論文投稿を目指し,実験用水槽を再作成し,砂丘模型の設置方法や流れの可視化手法について再検討した. 本年度後半は主にトンボ翼の研究を行った.特に,これまでの研究で明らかになった,トンボ翼におけるラムダ渦の崩壊・噴出について,定量的な評価を検討した.具体的には翼上のある空間に注目し,その上での渦度,圧力を時空間分布で可視化し,その分布を定量化した.その結果,翼性能が向上されない場合に共通した傾向が観察された.得られた結果は,これまでの結果と合わせて論文にまとめ,まとまり次第,投稿予定である.また,ラムダ渦の崩壊と翼性能向上の関係における普遍性について,レイノルズ数依存性を整理したところ,レイノルズ数が数百程度まで落ち込むとラムダ渦生成がなくなり,トンボ翼の凹凸構造の影響がなくなることが確認された.このほか,前年度から検討していた,凹凸構造の違いによる翼性能の変化について検討し,その結果の一部を論文にまとめ,報告した. そして,一見関連の薄いように見える砂丘とトンボ翼の関係性について,研究会発表やセミナー発表を行い,非線形科学の専門家らと議論した. これらの結果については,査読付き論文1件,国際会議2件,国内会議8件の発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
砂丘の研究について,砂丘動力学の研究者らが予想していたとは異なる流れ構造を発見し,その流れの可視化手法についての議論が概ね完了したため.また,論文投稿に向けて,今後取り組むべき課題の設定についても,検討が完了しつつあるため. トンボ翼の研究について,凹凸構造の変化に対する流れ解析を行い,その結果について報告が完了し,レイノルズ数依存性に対する理解を深めることにも成功したため.また,当初の予定にはなかった,渦運動の定量化について検討し,一部成功したため.
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Strategy for Future Research Activity |
砂丘の研究について,前年度まで研究の結果,以前の予想とは異なる流れ構造を発見したが,その普遍性について検討は不十分である.そこで,バルハン砂丘の幾何構造に対し,パラメータによる特徴づけを行い,流れ構造の普遍性について検討する.流れ解析の結果から,砂輸送を見積もり,バルハン砂丘の形成について検討する.可能であれば,砂丘模型を複数並べ,流れ解析実験を行い,砂丘群相互作用について検討したい. トンボ翼の研究について,前年度までの2次元数値計算の結果,ラムダ渦の崩壊と翼性能向上機構の関係を明らかにし,そのレイノルズ数依存性や形状依存性を検討した.しかしながら,実験的な解析,検討は不十分である.そこで,前年度までに作成した実験用水槽を使用し,流れの可視化実験を行う.トンボ翼のような凹凸構造をもった,擬2次元模型を作成し,流れ解析を行い,凹凸構造による渦運動の様子を実験的に観察し,検討する.また可能であれば,2枚の翼模型を並べ,その隙間で起こる流れの様子や,これまでの数値計算の結果から得られているラムダ渦の崩壊を観察したい.
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Report
(2 results)
Research Products
(35 results)