Project/Area Number |
22KJ2321
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Project/Area Number (Other) |
22J00212 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢崎 長潤 広島大学, 人間社会科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | サンスクリット文法学 / パーリ文法学 / パーニニ / チャンドラゴーミン / パーリ語文法学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、仏教文法家チャンドラゴーミン(5世紀)が確立した古典サンスクリット語の文法体系・チャンドラ文法学に対する基礎研究の充実を意図する。外国人研究者と共に、基礎文献『チャンドラ文法』(第2巻第1章)の改訂版と、それに対する未出版の注釈文献『チャンドラ詳解』の校訂本とを研究して出版する。また、自身の研究として同文献の翻訳・解説研究を公にする。同章はチャンドラ文法学の中核の一つをなし、カーラカ(行為の実現に資するもの)理論と呼ばれるサンスクリット語の統語意味論を扱う。本研究の完遂により、パーニニ文法学とは異質な特徴を有し、仏教徒にとりわけ関係の深かった文法体系のカーラカ理論の全容を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、以下の三つから構成される。(1)基礎文献『チャンドラ文法』(第2巻第1章)の再校訂と『チャンドラ詳解』の校訂研究を、2名の外国人研究者ドラゴミール・ディミトロフ教授(フィリップ・マールブルク大学、ドイツ)とマヘーシュ・デオカル教授(サヴィトリヴァイ・プレ・プネー大学、インド)とともに推進する。(2)研究者個人の研究として、上記の文献の解説付き翻訳研究を作成する。(3)上記の基礎研究から得られた知見に基づいて、インド伝統文法学の伝統形成に対するチャンドラ文法学の影響などについて考察する。 (1)本年度は、サンスクリット文献の校訂作業をおおよそ完了した。ただし、校訂テキストを入念に再読する必要があるが、まず(1)の研究の基礎資料となるパーリ文典『モッガラーナ文法』(第2章規則番号1から40まで)の再校訂と英訳研究を先に終わらせる。パーリ文典に関するこの基礎作業はほぼ完成しており、現在スカイプを通じて三人で一言一句ずつ読み合わせしている。 (2)上記の(1)において作成した校訂テキストと、研究者が準備した解説つき翻訳研究を受入研究者とともに検討した。そのなかで見つかった校訂テキストの不備や問題点などを校訂作業にフィードバックして、校訂研究の改善を促した。 (3)上記の(1)(2)の基礎研究で得られた新知見を国内学会や国内研究会(2件)において発表した。また、学会誌(日本語2本、英語2本)に投稿してその成果の一部を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外国人研究者との校訂研究については、今年度も従前どおりスカイプを通じて進めた。本年度はサンスクリット文献の校訂作業をおおよそ完了した。このテキストを再読する必要があるが、その前にこの研究の基礎資料となるパーリ文典『モッガラーナ文法』(2.1-40)の再校訂と英訳研究を先に終わらせる。パーリ文典の研究作業ほぼ完成しており、現在、スカイプを通じて外国人研究者とともに読み合わせをしている 国際共同研究の成果を利用して、パーリ文法家モッガラーナによる聖典引用の根拠を明らかにし、その引用の動機や背景を考察した。また、国際雑誌において二つの論文として以下の点について公にした。チャンドラ文法学の見解がときにパタンジャリの意図を理解するための一助となること、またチャンドラゴーミンのapadana論の独自性を明らかにして、パーニニ文法家のバルトリハリ(5世紀)の解釈との類似性について論じた。また、2022年に出版されたティマルシナ氏のチャンドラ文法学に関する著作について、その内容を概観するとともに問題点を論じた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も二名の外国人研究者とともに校訂作業を推進する。また、研究者個人が準備した翻訳・解説研究を受入研究者とともに検討する。そのなかで見つかった校訂テキストの不備や問題点などを校訂作業にフィードバックして、テキストを改善していく。『モッガラーナ文法』に引用されるパーリ聖典からの語句や表現について、その引用箇所を調査し、モッガラーナによる引用の意図を明らかにする。
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