凝集体難病の予防法確立に向けた小胞体膜タンパク質品質管理機構の解明
Project/Area Number |
22KJ2356
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Project/Area Number (Other) |
22J20016 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 49030:Experimental pathology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
城 裕己 徳島大学, 大学院薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 小胞体 / タンパク質凝集体 / CLN6 |
Outline of Research at the Start |
タンパク質凝集体の形成・異常蓄積はアルツハイマー病・パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症(ALS)をはじめとする難治性神経変性疾患において共通の病理学的特徴であり、疾患発症要因とも捉えられている。本研究では、小胞体膜微小環境に備わる「タンパク質品質管理機構」の制御メカニズムを分子レベルで解明し、本機構に基づいたタンパク質凝集体疾患モデル動物の疾患発症予防を実施する。これは従来の「凝集体除去」ではなく、そもそもタンパク質を異常凝集させない「凝集抑止」であり、さまざまな凝集体難病に奏功しうる新規予防法の確立が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はタンパク質凝集体難病の予防法確立である。タンパク質凝集体の異常蓄積はアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)をはじめとする神経変性疾患において共通の病理学的特徴であり、発症要因とも捉えられている。これまで小胞体膜微小環境にタンパク質凝集体の形成を抑止する機能(凝集抑止機能)が備わることを見出し、同機能の実体分子として小胞体7回膜貫通タンパク質Ceroid Lipofuscinosis Neuronal protein 6(CLN6)を報告した。我々はCLN6を取り巻く分子ネットワークを解明することで、小胞体膜微小環境においてタンパク質凝集を制御する「タンパク質品質管理機構」を実証できると考えており、研究期間内に「タンパク質品質管理機構」に基づくタンパク質凝集体難病の予防法提示を目指している。令和5年度は、細胞から個体レベルまで俯瞰した解析を実施し、以下2点を明らかにした。(1)CLN6の共働分子としてカテプシンDを見出し、(2)カテプシンDのプロ領域における変異体が凝集抑止機能を阻害していることを発見した。また、(3)CRISPR-Cas9システムを利用してゼブラフィッシュ受精卵で共働候補分子をノックアウトすることでタンパク質品質管理機構の不全モデル確立を目指した。これら研究成果は、小胞体膜微小環境における「タンパク質品質管理機構」の解明に向けて進展したことを意味しており、「タンパク質品質管理機構」の破綻と疾患の関連に迫る知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小胞体膜微小環境に備わる「タンパク質品質管理機構」がどのような分子で構成されているのか、それらの分子がどのように働いているのか、に回答するために、既に単離・同定しているカテプシンDについて凝集抑止機能を評価することに加え、CLN6をノックダウンすることによってカテプシンDとの共働関係の解明を実施した。結果、カテプシンDは小胞体内腔において凝集抑止機能を発揮し、その機能はCLN6を介していることが明らかとなった。これはリソソームでのタンパク質分解機能しか焦点を当てられていなかったカテプシンDが小胞体での機能を有していたことを意味しており、リソソーム病における治療法開発の観点からも重要な知見であるといえる。また、CRISPR-Cas9システムを利用して共働候補分子をゼブラフィッシュの受精卵でノックアウトしたところ、一部の個体において特異的なフェノタイプを確認することができた。これらの結果からも、小胞体膜微小環境における「タンパク質品質管理機構」の理解に向けて着実に歩を進めているといえる。以上により、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究結果から、小胞体膜微小環境で発揮される凝集抑止機能がCLN6を中心としたタンパク質複合体によって制御されている可能性が高まった。この生体に備わる「タンパク質品質管理機構」の機能実体を理解することは、さまざまなタンパク質凝集体難病に最適な治療法・予防法を確立する上で重要となる。したがって、令和6年度は引き続き「タンパク質品質管理機構を担う分子群はどのようにして凝集抑止を実現しているのか?」という疑問に回答することとする。具体的には、以下5点を実施する。(1)既に同定したCLN6の共働候補とCLN6間における共働関係について凝集抑止機能をパラメータとすることによって明らかにする。また、(2)単離・同定されたCLN6との共働候補分子において、既報の疾患関連変異を導入することで凝集抑止機能への影響を評価し、疾患発症の要因を考察する。さらには、(3)「タンパク質品質管理機構」を担う分子(CLN6および共働候補分子)をノックアウトしたゼブラフィッシュ個体で組織解析・行動解析を実施し、タンパク質凝集体の形成・蓄積が確認されるかどうか検証する。併行して、(4)パーキンソン病であればalpha-シヌクレイン、筋萎縮性側索硬化症(ALS)であればTDP-43やSOD1、のようにタンパク質凝集体難病を発症することが知られている凝集性タンパク質変異体を細胞およびゼブラフィッシュ個体で発現させることでタンパク質凝集体疾患モデルを確立し、(5)この疾患モデルにおいて「タンパク質品質管理機構」に基づく凝集抑止が奏功するかどうか確認する。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)