新規癌抑制因子PPM1Hホスファターゼの創薬への応用に向けた分子的基盤の創成
Project/Area Number |
22KJ2362
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Project/Area Number (Other) |
21J22558 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 43030:Functional biochemistry-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大澤 仁 愛媛大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | PPM1H / プロテインホスファターゼ / 脱リン酸化 / タンパク質 / 肺がん / 海洋微生物抽出物 |
Outline of Research at the Start |
タンパク質脱リン酸化酵素のPPM1Hは、乳がんや大腸がん患者の予後を向上させるタンパク質と考えられてきたが、近年は特定の肺がんにおいてPPM1Hが予後不良を強めている可能性が示唆されている。そのため、PPM1Hの機能を抑制するような化合物は、新たな抗肺がん剤として利用できる可能性がある。しかし、PPM1Hを阻害できる化合物は未だ一切発見されていない。そこで本研究ではまず、海洋微生物が持つ様々な化合物からPPM1Hを阻害できる化合物を探索する。そして得られた化合物によるPPM1Hの機能抑制が、肺がんの抑制に有効であるかを検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
プロテインホスファターゼPPM1Hはこれまで、がん抑制因子であると考えられてきた。一方、肺がんにおいてはPPM1Hの高発現が予後不良と正に相関することが見出され、PPM1Hはがんを促進しうることが示唆されている。そこで本研究では、PPM1Hを標的とした新たながん治療戦略の構築を試みた。 PPM1H阻害剤開発のために、長崎大学が所有する海洋微生物抽出物ライブラリーを対象に、阻害剤同定スクリーニングを実施した。その結果、PPM1Hを阻害する化合物を含むと考えられる微生物抽出物を取得した。抽出物の分画を行い、PPM1H阻害活性を持つ化合物の同定を試みたところ、これまでに知られていない新規な構造を持つ化合物であることが明らかになった。 PPM1Hは、制御因子によって機能が制御される可能性があることが、報告者らの先行研究によって示唆されていた。近年はホスファターゼの制御因子を標的とした創薬が進展しつつあることを考慮すると、PPM1Hの制御因子を同定することは、PPM1Hを標的とした創薬の発展に資すると考えられる。そこでPPM1Hの制御因子となりうるタンパク質を、酵母ツーハイブリッド法にて探索した。その結果、Mediator of RNA polymerase II transcription subunit 29 (MED29)をPPM1Hの新規相互作用因子として同定した。計算機科学的手法及び生化学的手法にてPPM1HとMED29の結合様態を検討した結果、MED29はPPM1Hの触媒領域外N末端に結合することを見出した。この結果を踏まえてMED29がPPM1Hの酵素活性に及ぼす影響について検討したが、MED29はPPM1Hの脱リン酸化機能に影響を及ぼさないことが確認された。以上の結果より、MED29はPPM1Hの新規結合因子ではあるが、PPM1Hの制御因子ではないことが明らかになった。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)