Project/Area Number |
22KJ2382
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Project/Area Number (Other) |
21J21004 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
七條 慶太 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ビタミンB12 / 環境調和型有機合成 / グリーンケミストリー / 光触媒 / 金属錯体 / コバルト錯体 / 可視光応答性 |
Outline of Research at the Start |
光触媒は、無尽蔵な太陽光エネルギーを利用して有用化合物を合成できるため広く研究されている。しかし、多くの光触媒を用いた還元型有機合成では、電子源としてアミン類などを必要とし、多くの廃棄物が生じる点が課題であった。そのため反応に利用する電子を、豊富で低環境負荷の水から獲得し、可視光(太陽光)エネルギーにより進行する物質変換反応の開発が急務である。本研究では、 光合成のZスキーム型電子移動を達成する光触媒に、活性部位の金属錯体を複合化した触媒を開発・利用することで、水を電子源、可視光を駆動力とし、環境汚染物質から有用化合物を合成できる物質変換反応を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、新規ビタミンB12錯体であるpyrocobester の物性について、分光測定、電気化学測定とDFT計算を用いて詳細に決定した。また、pyrocobesterと酸化タングステン(WO3)を組み合わせ、可視光を駆動力、水やメタノールのようなグリーンな溶媒を電子源としたCo(I)種生成を検討した。ここでは、WO3とpyrocobesterをメタノールへ加え、可視光を照射することで、触媒活性種のCo(I)種を生成できた。また、溶媒をアセトニトリルと水の混合溶媒を利用しても同様にCo(I)種の生成を確認することができた。以上の結果から、本システムは可視光を駆動力、メタノールや水を電子源としてCo(I)種を生成できることを明らかとした。さらに、WO3+pyrocobesterシステムを環境調和型有機合成へ応用した。ここでは、トリクロロメチル化合物からのエステル化合物の合成に着手した。トリクロロメチルベンゼンとpyrocobester、Fine WO3をメタノール中に加えて可視光を照射すると、トリクロロメチルベンゼンを安息香酸メチルへ変換することができた。この結果は、メタノールを電子源、可視光を駆動力として生じたCo(I)種のpyrocobesterが触媒として働き、有機物質変換を促進したことを示している。 以上の実験に加え、令和4年度までに設計したB12-TiO2ユニットに関する研究も展開した。B12-Mg2+/TiO2を触媒とし、CBr3Fと2級アミンから有用なカルバモイルフルオリドを合成できる可視光駆動型システムを実現した。これにより、B12-TiO2ユニットの応用例を拡張することに成功した。
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