生体膜内における側方枯渇効果によるタンパク質2次元結晶相の形成
Project/Area Number |
22KJ2451
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Project/Area Number (Other) |
22J13118 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
須田 慶樹 九州大学, 理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2022: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 2次元系 / 相転移 / 枯渇効果 / 膜貫通型タンパク質 / 剛体円盤2成分系 / バクテリオロドプシン / 生体膜 / 2次元枯渇効果 / バクテリオロドプシン結晶形成 / 脂質分子枯渇効果 / 膜貫通型タンパク質間相互作用 / 脂質分子 |
Outline of Research at the Start |
バクテリオロドプシンの結晶形成駆動力を明らかにする。バクテリオロドプシン、脂質分子を剛体円盤としてモデル化し研究する。前年度の理論研究により、脂質分子の枯渇効果によってバクテリオロドプシンが結晶形成することが示唆された。今年度はシミュレーションにより相図を求め、理論の結果の妥当性を検討する。具体的にはevent chain MCを用いて剛体円盤2成分系の圧力を求め、ファンデルワールスループから2相共存領域を求める。理論とシミュレーションから得られた相図を比較し、脂質分子の枯渇効果による結晶形成の妥当性を議論する。
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Outline of Annual Research Achievements |
バクテリオロドプシンと脂質分子の2成分系において、理論・シミュレーションを用いてバクテリオロドプシンの相図を得た。バクテリオロドプシンを大円盤、脂質分子を小円盤へモデル化した。生体膜系を2次元平面へモデル化した。熱力学摂動理論を用いてバクテリオロドプシンの相図を求めた。脂質分子の数密度が上昇するとバクテリオロドプシンの流体ー固体2相共存領域が広がった。これは脂質分子の枯渇効果によってバクテリオロドプシンの結晶形成が促進されることを示している。この結果は Physica A, 630, 129260 (2023)にて発表した。さらに同様のモデルを用いて、シミュレーションからもbRの相図を求めた。イベントチェーンモンテカルロシミュレーションから剛体円盤2成分系の圧力を求めた。バクテリオロドプシン充填率の逆数と圧力をプロットした。その結果、ファンデルワールスループが得られた。マクスウェルの等面積則からバクテリオロドプシンの相図を得た。理論から得られた相図と同様に、シミュレーションから得られた相図は脂質の数密度が上昇すると2相共存領域が広がった。しかし、その広がりは理論から得られた相図よりも狭かった。このことから理論は枯渇効果を強く見積もっていることが分かった。さらにシミュレーションでは固相ー固相転移を示した。この転移は理論からは予測できなかった。理論では脂質分子間の斥力を無視しているため、シミュレーション結果を正確に予測できなかったと考えている。今後、脂質分子間斥力を取り込んだ理論の開発を検討している。また、シミュレーションから、バクテリオロドプシンの第二ビリアル係数を計算する方法を開発した。これを用いて、脂質分子の枯渇効果による実効引力を調べている。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)