Project/Area Number |
22KJ2474
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Project/Area Number (Other) |
22J21161 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井野 雄貴 九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | エピゲノム / 腫瘍内不均一性 / エピジェネティクス / DNAメチル化 |
Outline of Research at the Start |
悪性腫瘍が遺伝子の突然変異によって引き起こされるというモデルは広く受け入れられている。しかし、遺伝子変異の程度と腫瘍の悪性度は単純な一対一対応の関係に非ず、遺伝子変異がごく僅かであっても極めて悪性度が高い腫瘍も報告されている。そのような腫瘍の発症機序や高悪性度形質の獲得原理は、ゲノム変異だけでは説明できないために未解明であることが多く、そのことが有効な根治療法の開発の障壁となっている。 本研究では、胃癌の中でも遺伝子変異に乏しいゲノム安定型に注目し、病理学的手法と生化学的手法を組み合わせることによって、当該疾患の発症と進行に関わるエピゲノム異常を同定することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度に引き続き、令和5年度も長期保存FFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)アーカイブサンプルを対象としたロングリードエピゲノム解析のための基盤技術の開発に取り組んだ。 これは、従来よりも穏和な条件によるFFPE組織からのDNA抽出とバイサルファイト化(BS化)DNAに対する一本鎖DNAライゲーション技術、BS化DNAを鋳型とした二本鎖DNA合成、さらにトポイソメラーゼの二本鎖再結合活性を介した次世代シーケンサーライブラリ調製プロトコルを基礎としている。本年度はこの技術を長期間(10年以上)保存されているFFPEサンプルに適用し、長期保存されたFFPE組織からのロングリードエピゲノム解析を試みた。新鮮なBS化DNA由来の二本鎖DNAライブラリおよびネガティブコントロールとPCR反応性を比較すると、新鮮なBS化ライブラリと同等なcycle数でライブラリの増幅を認めた。しかしながら、アンプリコン長は新鮮なBS化DNA由来ライブラリより約500塩基長ほど短く、ロングリードの解析にはさらなる改善が求められる。 令和5年度はこれに加えて、上記技術をレーザーマイクロダイセクション後の微量サンプルに適用するためのFFPEに含まれる核酸の品質の改善に関する実験を行った。FFPE組織の染色およびパラフィン浸透やエタノール浸漬などの標本作製過程における核酸の分解を抑制する条件検討を実施した。 上記の技術開発が結実すると、交付申請時の研究の目的であった、膨大なFFPEアーカイブから悪性腫瘍の発症と進行に関わるメチローム変異を同定する新たな効率的な手法の構築が達成される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長期保存されたFFPE組織を対象としたエピゲノム解析において長鎖解析と十分な感度との両立が実現できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
メチロームの取得が難しい場合、これまで習得してきた生化学的手法と病理学的手法を組み合わせ、長期保存されたFFPEアーカイブを活かすための異なる手法の探索を試みる。
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