Project/Area Number |
22KJ2480
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Project/Area Number (Other) |
22J21352 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 萌英 九州大学, 理学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | オーロラ嵐 / 磁気圏 / 電離圏 |
Outline of Research at the Start |
オーロラ嵐は、夜側磁気圏に蓄えられたエネルギーがカレントウェッジ[CW]を介して電離圏に流れ込むことで発生する。この現象はオーロラ発光を引き起こし、全球の電磁場・プラズマ環境を激変させ、通信障害や送電システムの損傷などを引き起こす。しかしオーロラ嵐が発生した時のCW構造の時空間発展や、全球的な磁気圏-電離圏の電磁学的結合(全球M-I結合)の発生過程の全容はまだ観測的に実証されていない。そこで本研究では、オーロラ発生時のCW構造の時空間発展と全球M-I結合過程の全容を把握するため、「多点磁場・電場同時観測」と電離圏ポテンシャルソルバーによる「数値計算」を組み合わせた研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オーロラ嵐の発生・発達機構の解明を目指し、オーロラ嵐の発生に伴って発生する電流(カレントウェッジ[CW])構造の時間・空間発展と、それに伴う全球磁気圏-電離圏結合[M-I結合]過程の全容を把握することを目的とする。この研究は以下の三部構成で実施される。(A) CW成長過程(発生・発達・衰退)の空間分布特性の把握。(B)観測による、全球M-I結合特性の把握。(C)数値計算と観測の融合による、全球M-I結合分布の全容把握。 本年度は、予定していた「観測による、全球M-I結合特性の把握」を計画通り行うことができた。 昨年度の課題であった、 CW成長過程(発生・発達・衰退)の空間分布特性では説明できない電場変動について、以下の2つのデータを組み合わせることで、 CWの空間分布特性では説明しきれなかった部分に対する新しい仮説が得られた。 ・衛星から計算した電流データと比較することにより、古典的な CWのより低緯度側に、逆センスの電流が形成されており、その電流が高緯度の電場を遮蔽していることが明らかになった。 ・北米で観測されたオーロラ画像と比較するとこにより、CW成長過程より小さな時間スケールの変動が、オーロラの増光と対応していることが明らかになった。 これらの内容について、国際学会5回、国内学会2回の学会発表を行うとともに、昨年度実施したCW成長過程に対する電場応答の研究について、査読付き論文を出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように、研究計画の「(B)観測による、全球M-I結合特性の把握」について、全球に分布する地上磁場と電場の複合観測により、オーロラ嵐に伴う磁気圏電離圏特性を把握することができた。加えて、2023年11月から1月にかけてボストン大学を訪問し、Nishimura教授と共同研究を行った。そこでは、これまでのデータに加えて、衛星観測やオーロラ観測のデータを組み合わせて解析することにより、当初想定していたCW成長過程だけでなく、より細かいオーロラの変動が中低緯度で観測されることが明らかになった。以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って、引き続き実施する。具体的には、 所属研究室が開発した「3次元全球電離圏ポテンシャルソルバー」による数値実験コードを、観測から得られるCWの成長段階に適用し、CWと結合する電離圏電流や電磁ポテンシャル分布の導出を行う。この結果を可視化し、観測と比較することで、全球的なM-I結合分布の詳細を解明する。
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