Project/Area Number |
22KJ2491
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Project/Area Number (Other) |
22J40044 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嶋崎 礼 (2023) 九州大学, 芸術工学研究院, 特別研究員(RPD)
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Research Fellow |
嶋崎 礼 (2022) 九州大学, 芸術工学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ゴシック / 中世建築 / トリフォリウム / トレーサリー / 建築考古学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、フランスのゴシック建築に存在する「トリフォリウム」の建設手法に関するものである。トリフォリウムとは、壁の厚みの内部に作られた通路状の空洞のことで、建物の内部空間に向かってアーケード状に開き、ゴシックの立面デザインにおいて重要な位置を占めている。本研究ではトリフォリウムのうち特に「トレーサリー(多数の小さな石材を特定の形状に組み上げる技術)」の技法を用いたものに焦点を当て、石積みや金属の補強材、石材の加工技術などを調査する。デザインと技術の関連性を深く掘り下げることで、デザインの分類に基づいた従来の様式論から、考古学的知見に基づいた新たな様式論を構築することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに文献渉猟と調査方法の検討を行い、今年度には繰り越し分予算を用いてフランスの5件の教会堂(アルジャンタン(2件)、レ・ザンドリ、トゥール、ショーモンの各都市)でトリフォリウムへの立入調査を行った。 調査後、結果の整理・とりまとめを行い、調査できた全ベイのトリフォリウム立面の写真一覧を作成した。一部の建物では本研究に直接関係するトレーサリー部分以外にも、ゴシック聖堂の建設技法にかかわる興味深い観察が得られた(ショーモンのサン=ジャン=バティスト教会堂における石に刻まれた職人のサイン、古典主義的装飾、トリフォリウム通路内部の階段、アルジャンタンの2件の聖堂における通路への非実用的なアクセス方法)。これらの特徴の中にはこれまで実施してきた初期~盛期ゴシックの聖堂のトリフォリウムにおいてすでに見られたものもあるが、例外的なものもあり、後期ゴシックのトリフォリウム建設法を考察するうえで興味深いものである。アルジャンタンとショーモンで得られたこれらの観察に関しては、フランス語による短い報告書を作成し各市役所担当者に提出した。 今年度後半には、本研究の実施期間内に調査した3件のトリフォリウムと、以前調査した5件のトリフォリウム、文献調査に基づく1件のトリフォリウムの各アーケード・トレーサリー部分の石組み分解図を作成し、等スケールで比較分析した。分析結果とこれまでに得られた知見を統合し、論文「フランス・ゴシック教会堂におけるトリフォリウムのトレーサリーの石組み―通時的比較の試み」として執筆・発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過去の調査と今年度に行った調査から得られた知見を合わせて論文にまとめ、発表することができた。ただし、前年度に調査方法を再検討した関係で2022年度分の繰越を行ったため、今年度に行う予定だった現地調査の件数には達しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実地調査を行った件数がまだ当初の想定数に達していないため、最終年度となる次年度はさらに他の建築に関する調査を行って研究成果を補完し、最終的な成果をとりまとめる。
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