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ACE2のユビキチン化を介したコロナウイルス感染機構の解明と創薬への挑戦

Research Project

Project/Area Number 22KJ2499
Project/Area Number (Other) 22J00108 (2022)
Research Category

Grant-in-Aid for JSPS Fellows

Allocation TypeMulti-year Fund (2023)
Single-year Grants (2022)
Section国内
Review Section Basic Section 47040:Pharmacology-related
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

岡元 拓海  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2023-03-08 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
KeywordsCOVID-19 / SARS-CoV-2 / ACE2 / ユビキチン / エンドサイトーシス
Outline of Research at the Start

ウイルスの細胞内侵入にはウイルスが受容体として利用する細胞膜タンパク質のユビキチン化の関与が知られている。COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2は細胞膜貫通型のアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)と結合することで細胞内へ侵入することは知られているが、その詳細な機構は依然不明である。そこで、本研究では、SARS-CoV-2の細胞内侵入に関与するユビキチン関連分子を同定することで、SARS-CoV-2の感染機構を明らかにし、ウイルス感染時のACE2の細胞内局在の変化を指標とした薬物のスクリーニング系を構築し、コロナウイルスに共通した作用機序の抗ウイルス薬の開発に挑戦する。

Outline of Annual Research Achievements

SARS-CoV-2感染時のACE2の近傍タンパク質の同定のため、ビオチンリガーゼを融合したACE2を発現させ、近位ビオチン標識法を行った。ACE2の細胞質側にビオチンリガーゼAPEX2を融合させたAPEX2-ACE2安定発現細胞を用いた。APEX2はビオチンフェノール存在下で1分間の過酸化水素処理によって、その近傍のタンパク質のビオチン化を触媒する。ビオチン化タンパク質をストレプトアビジンビーズにより回収し、質量分析を行ったところ、ACE2の近傍タンパク質としてユビキチンリガーゼを12種類、脱ユビキチン化酵素を11種類同定した。同定したユビキチンリガーゼの中から、ACE2のエンドサイトーシスと分解に関与するものを絞り込むために、siRNAを利用したノックダウンを行った。APEX2-ACE2を発現した細胞において各ユビキチンリガーゼをsiRNAによりノックダウンした結果、ノックダウンによってスパイクタンパク質により誘導されるACE2の分解が抑制され、ACE2発現量の有意な増加を示すユビキチンリガーゼを4種同定した。さらに、スパイクタンパク質によるACE2の局在変化についても検証した結果、4種のうち2種のユビキチンリガーゼをそれぞれノックダウンした細胞ではスパイクタンパク質によって増加するACE2とEEA1との共局在の割合が減少した。この2種を同時にノックダウンした場合、それぞれの単独と同等にエンドサイトーシスが減少した。以上の結果から、SARS-CoV-2感染時、ACE2のエンドサイトーシスはユビキチン化によって制御されており、このユビキチン化の制御に関与することが示唆されるユビキチンリガーゼを同定した。今後はACE2の細胞膜からリソソームへのメンブレントラフィックをより理解するためにドイツのOsnabruck大学へ留学し、研究を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

APEX2を融合したACE2発現細胞を用いて、ACE2の近傍たんぱく質の同定を質量分析により行い、ACE2の近傍タンパク質としてユビキチンリガーゼを12種類、脱ユビキチン化酵素を11種類同定した。同定したユビキチンリガーゼにおいてノックダウンを行い、スパイクタンパク質存在下でのACE2の発現量の変化および局在変化を検証することで、12種類から2種類に絞り込んだ。同様の検証方法で脱ユビキチン化酵素についても検証を進めている。以上より、研究はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

最近、PIKfyve阻害剤であるApilimodが、SARS-CoV-2の宿主細胞への侵入を阻害する一定の効果を示すことが報告された(Proc. Natl Acad. Sci. USA, 117, 20803&-20813, 2020)。PIKfyveはPI5PとPI(3,5)P2を合成するphosphoinositide 5-kinaseであり、内膜の恒常性を制御している。ACE2にSARS-CoV-2が結合し、ACE2が細胞膜からリソソームへ移行することでSARS-CoV-2が細胞に感染する。これまでの研究で、ACE2の細胞内への局在化にユビキチン化が関与していることを示してきたが、リソソームへの移行メカニズムについては不明な点も多い。リソソームやエンドソームは精巧にその膜組成が制御されており、その膜組成の変化によってエンドソームからリソソームへ移行することが知られている。PIKfyveもその過程に関与していることが示唆されている。そこで、このACE2の感染機構をより詳細に理解するため、メンブレントラフィックについての研究を行う。そのために、メンブレントラフィックについて多くのimpressiveな研究を行っているドイツのUngermann教授の研究室へ行き、PIKfyveの酵母におけるホモログであるFab1について研究を行う。

Report

(2 results)
  • 2023 Research-status Report
  • 2022 Annual Research Report
  • Research Products

    (13 results)

All 2023 2022

All Presentation (13 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 新型コロナウイルス受容体ACE2のエンドサイトーシスへのユビキチン化の関与2023

    • Author(s)
      末長弘基、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      日本生化学会九州支部例会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 高浸透圧誘導性ユビキチンリガーゼRNF183によるNKCC1の分解が細胞に与える影響 の解析2023

    • Author(s)
      東優稀、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      日本生化学会九州支部例会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] mRNAワクチン応用に向けた高い分泌効率を持つシグナルペプチドの同定2023

    • Author(s)
      皆川直樹、平田悠朗、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      日本生化学会九州支部例会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] SARS-CoV-2受容体ACE2のエンドサイトーシスを促進するユビキチン化機構2023

    • Author(s)
      末長弘基、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第96回日本生化学会大会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] イオントランスポーターの分解に関与する腎臓特異的ユビキチンリガーゼRNF183が高浸透圧環境下において細胞に与える影響の解析2023

    • Author(s)
      東優稀、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第97回日本薬理学会年会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] SARS-CoV-2スパイクタンパク質が誘導するACE2のユビキチン化によるエンドサイトーシスと分解機構の解析2023

    • Author(s)
      末長弘基、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      日本薬学会 第143年会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] 高浸透圧ストレス誘導性ユビキチンリガーゼRNF183によるイオントランスポーター制御の解析2022

    • Author(s)
      岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第15回小胞体ストレス研究会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] 高浸透圧適応における腎臓特異的ユビキチンリガーゼRNF183の機能解析2022

    • Author(s)
      東優稀、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2022
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] mRNAワクチンへの応用へ向けた分泌効率の良いシグナルペプチドの同定2022

    • Author(s)
      皆川直樹、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2022
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] 腎臓特異的ユビキチンリガーゼRNF183によるイオントランスポーターNKCC1の分解機構2022

    • Author(s)
      東優稀、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第95回日本生化学会大会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] SARS-CoV-2受容体ACE2のユビキチン化によるエンドサイトーシスと分解機構の解析2022

    • Author(s)
      末長弘基、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第39回日本薬学会九州山口支部大会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] mRNAワクチンへの応用へ向けた分泌効率の良いシグナルペプチドの同定2022

    • Author(s)
      皆川直樹、平田悠朗、金子雅幸、岡元拓海
    • Organizer
      第96回日本薬理学会年会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] 腎臓特異的ユビキチンリガーゼRNF183の機能および疾患との関連性の解析2022

    • Author(s)
      岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第96回日本薬理学会年会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
    • Invited

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Published: 2022-04-28   Modified: 2024-12-25  

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