Project/Area Number |
22KJ2532
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Project/Area Number (Other) |
22J14018 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
軸屋 雄太 鹿児島大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 土砂災害 / 蒸発量 / バルク法 / 不飽和土 / 水分特性曲線 / 不飽和透水係数 |
Outline of Research at the Start |
降雨後の土砂災害に対して,土砂災害警戒情報や交通規制などの警報が実施されているものの,その解除の判断は困難とされている。警報解除に向けた斜面の危険度評価では,斜面表層からの蒸発量の把握が必要となるが,蒸発量の簡易な計測方法は確立されていない。 本研究では,地表面蒸発量推測手法の開発として,地表面からの蒸発量を推定する数理モデルの提案と妥当性評価に取り組む。さらに,機械学習の適用により,推定した蒸発量を用いた土中水分量の予測を可能とすることで,警報解除の定量的な基準設定を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,不飽和土の蒸発特性に加え,保水・浸透特性を同時計測できる手法を開発し,蓄積した計測データに基づいて,裸地表面および植生面からの蒸発散量を推定するための数理モデルを構築した。さらに,実斜面での土中水分量のモニタリング結果から,降雨後の土中水分量の変動に対する地表面蒸発量の影響を確認するとともに,Monte Carlo Simulation(MCS)を実施し,土中水分量の予測を行った。 数理モデルの構築に際して,不飽和土の蒸発特性と同一の供試体から得られた保水・浸透特性が必要であったことから,それらを同時計測できる手法を開発した。結果,開発手法により,同一供試体から水分特性曲線,不飽和透水係数,蒸発効率(蒸発特性を評価するパラメータ)を同時に計測できるようになり,計測結果の妥当性に併せて,この手法が砂質土に対して特に有効であることを確認した。さらに,蒸発効率に関するデータ分析方法の改良にも取り組み,風速の制御などを必要としない,従来よりも簡易な蒸発効率の計測手順を提案した。以上の手法を用いて蓄積した計測データから,土の基本的物理量を用いて推定される土中の間隙構造に基づき,蒸発効率を評価できる数理モデルを構築した。 降雨後の斜面における土中水分量の予測手法の確立に向けて,機械学習などの手法を活用した土中水分量の予測を行った。結果,MCSにより学習データのみならず,未学習のテストデータについても実斜面での土中水分量の変動を良好に予測できることを確認した。併せて,現地斜面での土中水分量の計測データの考察に基づいて,降雨後の土砂災害に対する警報解除の定量的な基準設定には,地表面蒸発量の考慮が重要であることを示した。 これらの成果は,地表面蒸発量推測手法の開発に向けて,不飽和土の蒸発特性に関する計測結果の信頼性向上と蓄積,および数理モデルの物理的根拠の担保に意義を持つものである。
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