Project/Area Number |
22KJ2538
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Project/Area Number (Other) |
22J15489 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 49020:Human pathology-related
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
真柄 和史 札幌医科大学, 札幌医科大学大学院・医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | タイト結合 / JAM-A / プロテオーム解析 / タンパク質間相互作用 |
Outline of Research at the Start |
Junctional adhesion molecule-A (JAM-A)は細胞間接着装置の一つであるタイト結合関連タンパク質で、我々を含めたこれまでの知見の蓄積により、様々ながん腫において異常高発現し、予後不良因子となること、がん促進的に働くことが示されている。しかし、がん腫におけるJAM-Aの発現調節機構や多彩な悪性形質の獲得機序、臓器横断的な悪性化機序の有無についてはいまだに不明である。本研究では、JAM-A の異常高発現や細胞内局在の変化に伴って生じるがん悪性化の機序を、分子レベルで明らかにすること、臓器横断的な機序の有無を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、複数のがん腫において異常高発現するJAM-Aが、がん促進的に作用する機序を網羅的かつ多層的な手法を駆使して解析した。JAM-A発現欠損株に加えて、発現回復株やFLAG-JAM-A過剰発現株の樹立にも成功した、乳がん細胞株MCF7を用いて解析を進めた。比較プロテオーム解析や抗FLAG-M2抗体を用いた共免疫沈降-質量分析法により、JAM-Aインタラクション候補タンパク質を10種類程度まで絞り込んだ。cBioportal (https://www.cbioportal.org)上の乳がんプロテオームデータを用いた解析により、これらのうち、タンパク質発現量にJAM-Aと有意な正の相関がみられた、アミノ酸取り込みに関与するタンパク質に着目した。細胞株を用いたWestern blotting (WB)、抗FLAG-M2抗体を用いたcoIP-WBにおいて、網羅的な解析と同様の結果を確認した。また、超解像顕微鏡観察による三次元的な共局在の確認、JAM-Aの発現変化に相関したアミノ酸取り込み能の有意な変化を確認した。乳がん外科切除材料を用いた免疫組織化学では、このアミノ酸取り込みに関与するタンパク質はJAM-Aの染色スコアが高い群において有意に発現し、生存曲線解析では、JAM-Aの染色スコアが高くかつこのタンパク質が発現している症例は、有意に予後が悪いという結果が得られた。アミノ酸はがん細胞の生存や増殖に必須の物質であり、タイト結合分子JAM-Aを介したアミノ酸取り込み機構の調節は乳がんの新たな治療標的となりうると考えられる。今回の研究期間では、乳がんにおける詳細な検討を進めたが、検出したJAM-Aインタラクション候補の中には、乳がん以外のがん腫においても、JAM-Aの発現欠失に伴い発現が低下したタンパク質が含まれており、今後はこれらについても検討を進めていく予定である。
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