Project/Area Number |
22KJ2552
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Project/Area Number (Other) |
22J11897 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 45010:Genetics-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
藤近 敬子 東京都立大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 季節適応 / 休眠 / 地理的変異 / 時計遺伝子 / 生殖休眠 / 環境適応 / CRISPR-Casシステム |
Outline of Research at the Start |
休眠は昆虫の季節性環境への適応機構であり、休眠誘導機構は日長の変化という環境シグナルの感知により開始する。昆虫には他の生物と同様に概日リズムがあり、リズムの形成は光が影響するため、リズムを形成する時計遺伝子との関連性が示唆されている。しかし、時計遺伝子の休眠誘導機構への介在の詳細を実験的に明らかにした例はない。本研究では、時計遺伝子の研究が最も進んでおり、野外での休眠が報告されている複数のショウジョウバエの休眠系統と非休眠系統で、①時計遺伝子の振動パターンの比較、②時計遺伝子をノックアウトした個体の休眠形質の観察を行い、休眠誘導機構への時計遺伝子の介在を分子レベルで明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
生殖休眠とは、昆虫の成虫が越冬のため生殖器官の発達などを抑制し、生存に関与しない機構を省エネルギー化した生理状態のことである。生殖休眠の誘導には日長や温度といった環境シグナルが用いられる。昆虫はほかの動物と同様に概日リズムをもち、リズムの形成には時計遺伝子が関与している。リズムを形成するため、時計遺伝子が光を用いることから、休眠と時計遺伝子の関与も示唆されている。本研究では、時計遺伝子の研究が最も進んでおり、野外での休眠が報告されているオウトウショウジョウバエとノハラカオジロショウジョウバエの休眠系統と非休眠系統を用いて、時計遺伝子の休眠への関与や休眠の地理的変異への関与を調査してきた。昨年度のオウトウショウジョウバエやノハラカオジロショウジョウバエの振動パターンの結果から、特に時計遺伝子CG3224に着目してきた。加えて、ノハラカオジロショウジョウバエ日本集団の表現型と全系統のゲノム解析の結果から、時計遺伝子CG3224は休眠の地理的変異にも関与している可能性が示唆された。キイロショウジョウバエを用いた先行研究で、CG3224のアイソフォームが休眠に関与している可能性が示唆されたため、本研究でもノハラカオジロショウジョウバエの休眠系統と非休眠系統でアイソフォーム振動パターンの比較も行い、先行研究と同様の傾向があることが明らかになった。これらのことから、CG3224は休眠の地理的変異を引き起こす原因遺伝子の可能性が強く示唆された。
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