Project/Area Number |
22KJ2576
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Project/Area Number (Other) |
21J22239 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 勝也 岐阜薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | リポカリン / C8γ / カドミウム / 肝毒性 / 毒性発現 / 遺伝子改変マウス / メタロチオネイン |
Outline of Research at the Start |
カドミウムは(Cd)はイタイイタイ病の原因物質であるとされているが、その毒性発現機構については未だ完全には解明されていない。申請者は、Complement Component 8 gamma (C8γ)をCdの毒性発現に影響を及ぼす分子の候補として見出したため、本研究は、①毒性発現機構、②生体内におけるCd動態 という2つの視点を切り口に、C8γの寄与を解析することで、Cdの毒性発現機構および生体内におけるCdに対する防御機構の解明を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
申請者は前年度までに、雄性のC8γ欠損(KO)マウスがCdの急性曝露時に誘導される肝毒性に抵抗性を示し、これにはCdの投与前からKOマウスの肝臓で高い発現を示すメタロチオネイン(MT)が関与している可能性を見出した。また溶媒投与群KOマウスにおいて、肝臓中のCd蓄積量が野生型(WT)マウスと比較して有意に高かったことから、食餌中に含まれる微量のCdが、KOマウスでは肝臓により蓄積することでMT発現が誘導されている可能性が考えられた。そこで本年度は、この仮説を検証する目的で、Cd低減食を与えた雄性C8γ KOマウスについて、MTの発現解析およびCd肝毒性発現の評価を行った。前年度までの実験で使用していた通常飼料CE-2(0.07-0.08 ppmのCdを含有)の代わりに、精製飼料AIN-93Mを母体の妊娠前から生後8週齢まで与えてC8γ KOマウスを飼育した。8週齢時点でCdを6.4 mg Cd/kgの用量で腹腔内投与し、投与24時間後に解剖し解析を行った。その結果、溶媒投与群KOの肝臓におけるMTの発現量はWTと同程度であった。さらにCd投与群においては、Cdによる肝障害がWTと同様にKOでも認められた。この結果を反映して、血漿中のASTおよびALTは、Cd投与群で溶媒群と比較して大幅な上昇を示したものの、WTとKOの間に差は認められなかった。すなわち、AIN-93M飼料で飼育した雄性KOでは、通常飼料CE-2を与えて飼育した雄性KOと異なり、肝臓においてMTの発現誘導およびCd曝露による急性肝毒性の軽減が生じないことが示された。以上の結果から、C8γの欠損により食事由来の微量のCdが肝臓に蓄積し、そのCdが肝臓においてホルミシス効果を引き起こし、Cdに対する防御機構としてMTの発現を誘導する可能性が見出された。
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