ALS病態に対するFGFR1を標的とした新規治療戦略確立のための基盤研究
Project/Area Number |
22KJ2579
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Project/Area Number (Other) |
22J15300 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 51030:Pathophysiologic neuroscience-related
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
伊藤 泰生 岐阜薬科大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ALS / FGFR1 / FGF2 / C9orf72 / SOD1 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態解明及び新規治療戦略の基盤を見出すため、線維芽細胞増殖因子受容体1(FGFR1)に着目する。ALSは、有効な治療薬がなく、単一の作用での治療は困難だと考えられる。そこで、複数の保護的な作用を誘導し、相加相乗的な効果を示す薬剤の探求が急務である。FGFR1は、神経細胞に発現し、神経分化や抗アポトーシス作用などを示す。また、グリア細胞を介した神経保護効果も報告がある。 本研究は、ALSにおける細胞種ごとのFGFR1の機能について検討し、複数の経路を介した神経保護効果について明らかにすることで、ALSの新規治療戦略の基盤創出を目的とする研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)病態における線維芽細胞成長因子受容体1(FGFR1)の細胞種(運動神経、ミクログリア、アストロサイト)ごとの機能を明確にし、FGFR1を標的としたALSの新たな治療戦略の基盤を提供することを目的とする。 前年度は、ALSの原因遺伝子であるSOD1、TDP43の変異体およびC9orf72由来ALS患者で凝集するジペプチドリピートタンパク質(DPR)を導入したマウス運動神経様細胞NSC34において、FGFR1のmRNA量を確認した。変異SOD1、DPR導入細胞では、FGFR1の発現量に変化はなく、変異TDP43導入細胞では、FGFR1のmRNA発現量が減少した。また、FGFR1のリガンドであるFGF2の処置は、変異SOD1及びDPR導入NSC34細胞における細胞生存率の低下を回復させた。さらに、マウスミクログリア細胞株BV2を用いた検討では、FGFR1の活性化が、グルタミン酸クリアランスに関与するGlast のmRNA量を増加させ、炎症性サイトカインであるIL-1βのmRNA量を減少させることも確認した。 今年度は、DPR導入細胞に対するFGFR1の活性化による神経保護効果について、詳細な検討を行った。検討の結果、FGFR1の活性化は、PI3K-Akt経路を介したものであることが示唆された。また、DPRの毒性機序の一つとして、アポトーシスの誘導に関与するp53 Tumor Suppressor (p53)の蓄積が知られている。FGFR1の活性化は、p53の分解に関与するMurine Double Minute-2(MDM2)の増加を引き起こし、p53の蓄積を抑制することで神経保護効果を示すことが示唆された。 今後は、DPR導入NSC34細胞とBV2細胞の共培養系を用いて、ミクログリア存在下での、FGF2処置による神経保護効果について検討を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)