Project/Area Number |
22KJ2587
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Project/Area Number (Other) |
22J23865 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
尾城 一恵 静岡県立大学, 薬食生命科学総合学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 嗅覚受容体 / GPCR / コンセンサス配列 / TAR-Tatシステム / olfactory receptor / OBPⅡa / 特願2023-039400 / FACS / 転写量 / 膜表面発現量 |
Outline of Research at the Start |
嗅覚は食品のおいしさの知覚に大きく寄与していることから、嗅覚研究は、ヒトが感じるおいしさの評価・設計に極めて重要である。本研究で は、食品の匂いの“質”を嗅覚知覚の観点から評価・設計できる技術の確立を目指し、匂い物質による“真の”ヒト嗅覚受容体(hOR)応答パ ターンを網羅的にマッピングできる、新たなhOR応答評価系を開発する。本研究によりヒトの嗅覚知覚メカニズムの一端が解明され、また、開 発した系を用いることで、食品のおいしさに重要な“匂い”を科学的根拠に基づいて評価・設計することが可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの嗅粘膜に多く存在する匂い結合タンパク質は、匂い物質を嗅覚受容体(OR)に受け渡す役割が示唆されているが、詳細は不明である。令和5年度は、匂い結合タンパク質-OR複合体の立体構造解明に着手した。ORは水溶性物質に応答するclassⅠと疎水性物質に応答するclassⅡに分類される。classⅡのORについて匂い結合タンパク質存在下で応答の増減が見られ、匂い結合タンパク質との相互作用が示唆された。昨年度構造が解かれたOR51E2はclassⅠの一つであり、classⅡの構造はまだ解かれていなかった。そこで、classⅡORの構造解析を目指し、コンセンサス配列を設計した。コンセンサス配列とは、アライメントされた配列の各位置について最も高頻度の残基がそれぞれ採用された配列のことである。classⅡの構造解析のボトルネックである発現量の低さを克服するため、classⅡのコンセンサス設計を行なった。classⅡに属するfamily1,2,4のコンセンサス配列の発現量を評価したところ、consensus OR1はOR1A1の9倍、consensus OR2はOR2T1の40倍、consensus OR4はOR4D6の22倍に増大し、構造解明に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は匂い結合タンパク質とORの相互作用を解析するため、匂い結合タンパク質-OR複合体の立体構造の解明を目指した。複合体の構造解明には至らなかったものの、新しく4つのOR(consensus OR1,2,4,51)の構造解明に成功し、現在論文投稿中である。今回明らかになったORはclassⅡに属するコンセンサスORであり、脂肪酸に特異的に結合するclassⅠとは異なり、classⅡORは様々な匂い物質に結合するため、今回の構造解明は、未だわからないことの多い“匂いの感覚”のメカニズムの解明を躍進させると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
匂い結合タンパク質とcalssⅡORの複合体構造の解明を目指して、構造が明らかになったORの中から匂い結合タンパク質の存在によりアゴニスト応答に影響があるORを探索したところ、consensus OR1について匂い結合タンパク質による応答の増加が見られた。そこで今後は、consensus OR1-匂い結合タンパク質複合体の構造の解明に取り組む予定である。
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