Project/Area Number |
22KJ2606
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Project/Area Number (Other) |
21J21304 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka Prefecture University (2021) |
Principal Investigator |
林 康太 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2022: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 光濃縮 / 光発熱効果 / サブミリバブル / マイクロバブル / 光誘起対流 |
Outline of Research at the Start |
光濃縮は光発熱効果によって生じるバブルと対流を用いて液中の分散質を迅速かつ高密度に集積する技術であり、細菌の濃度分析やタンパク質 検出、DNAの2重鎖形成の加速等のバイオ分析をはじめとして様々な分野で用いられている。しかし、バブルは主に基板上の2次元平面に束縛さ れており、駆動できる対流の方向や輸送できる分散質の範囲が制限されている。そこで本研究では、光ファイバー型プローブを用いた3次元任 意配置光濃縮のための基礎原理を物理的に解明し、高感度かつ選択的な生化学分析応用へと展開していく。
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Outline of Annual Research Achievements |
光濃縮は光の電磁気学的な光誘起力と熱流体力学的な光誘起対流の相乗効果で液中の分散質を迅速かつ高密度に集積する技術である。本研究では、従来2次元平面上で行われてきた光濃縮を光源と熱源を一体化したファイバー型光濃縮プローブを用いて、3次元任意配置で実行できるように拡張するための原理を構築し、生化学分析応用に展開することにある。このような目的の下、初年度はファイバー型プローブの作製と作製したプローブでの光濃縮の初期検討に注力した。 光濃縮用ファイバー型プローブは汎用的な光ファイバーに金ナノ薄膜を被覆することで作製した。この工程後にファイバー先端から照射されるレーザーの出力の低下から金ナノ薄膜を被覆できていることを確認し、吸収された光エネルギーの一部が熱に変換されると考えられる。 さらに、作製したファイバー型プローブを液体試料に側面から挿入し、マイクロ粒子と細菌を分散質として光濃縮を行い、集合効率(=集積分散質数/全分散質数)も評価した[2022/3 応用物理学会で発表]。特に、基板から上方にプローブを配置した時に従来の基板上で行う光濃縮よりも1桁高い集合効率で分散質をファイバー型プローブ先端に集積することに成功した。これは、固液界面から離れた位置で先端の金薄膜を光加熱することで水平方向だけでなく鉛直方向の光誘起対流も集合に寄与し、輸送される分散質数が増加したためと考えられる。さらに、界面活性剤を添加して、バブルの表面状態と光誘起対流を変調することでファイバー型モジュールを用いた光濃縮でも効率を制御できることも明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記載したように、ファイバー型プローブを用いた光濃縮の初期検討に成功し、3次元任意配置での光濃縮への実装に向けた重要な知見が多数得られた。特に、マイクロ粒子のような非生体試料だけでなく、細菌を対象とした光濃縮の初期検討にも成功しており、ファイバー型プローブで生体試料も光濃縮可能であることを明らかにした。 基礎原理構築の観点では、界面活性剤添加によるバイブルサイズと光誘起対流の制御がファイバー型プローブを用いた光濃縮においても重要であることを確認し、液体試料中で中空にプローブを配置することによる3次元的な光誘起対流の効果により従来の基板を用いた2次元型光濃縮よりも1桁以上の効率増強ができる条件があることも解明した。 これらの内容で特許出願も完了しており(特願2022-026834号)、本課題を十分に進展させたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
ファイバー型プローブを用いた光濃縮をモデル化して流体力学的な数値計算も行い、実験とのフィードバックをかけながら3次元光濃縮の基礎原理構築を目指す。また、初年度に得られた知見を活用し、気液界面および固液界面が光濃縮に与える影響を明らかにする。さらに、電磁気学的な光誘起力の効果も取り込み、光誘起対流との相乗効果による3次元光濃縮の高効率化のための指導原理獲得を目指す。 具体的には、有限要素法を用いてファイバー型プローブでの光濃縮における対流分布を計算し、分散質の集積メカニズムを明らかにする。また、ファイバー型プローブと気液界面および固液界面との距離を調整し、光誘起対流が界面により変調される状況を作り、集合効率がどのように変化するかを調べる。また、光ファイバーの径を調節することで、ファイバー側面に誘起される近接場による光誘起力を用いた分散質の光トラップに関する検討も開始する。
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