Project/Area Number |
22KJ2633
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Project/Area Number (Other) |
22J14699 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小野寺 悠 奈良県立医科大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 血友病A / 凝固第VIII因子 / 共培養 / 細胞シート / 温度応答性培養皿 / 表面修飾 / 細胞治療 / 血管内皮前駆細胞 |
Outline of Research at the Start |
血友病Aは、凝固第VIII因子(FVIII)というタンパク質の欠損または活性低下が原因の遺伝性出血性疾患であり、様々な出血症状を呈する。血友病Aの現在の標準治療は、FVIII製剤を静脈投与する補充療法が主であるが、一生涯にわたる頻回投与を要し患者のQOLの低下と莫大な製剤コストが問題となっている。本研究では、治療域のFVIIIを体内で産生可能な共培養細胞シートの作製法を開発し、マウス体内への移植、治療効果の評価を通じて、血友病A根治療法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
血友病Aは、凝固第VIII因子(FVIII)というタンパク質の欠損または活性低下が原因の遺伝性出血性疾患であり、様々な出血症状を呈する。血友病Aの現在の標準治療は、FVIII製剤を静脈投与する補充療法が主であるが、一生涯にわたる頻回投与を要し患者のQOLの低下と莫大な製剤コストが問題となっている。本研究の目的は、血友病A根治療法の確立を目指し、治療域のFVIIIを体内で産生可能な共培養細胞シートの作製法を開発することである。 2022年度の検討では、治療に用いる細胞シートを作製するための培養器材の表面設計と、iPS細胞由来の血管内皮前駆細胞(endothelial progenitor cells; EPC)のシート化の検討を行った。想定通り、EPC単独からなる細胞シートは物理的強度が不足しており、シート構造を保ったまま培養皿から剥離することが困難であったことから、共培養の必要性が改めて示された。種々条件検討の結果、EPCを支持する細胞として線維芽細胞や間葉系幹細胞を適切なタイミング・量でEPCと共培養することにより、移植可能なEPCを含む細胞シートを培養皿から剥離させることに成功した。しかし検討を行う中で、iPS細胞から分化誘導したEPCは、細胞シート作製用の温度応答性培養皿への接着性が低いことが明らかとなった。この問題を解決するために培養器材の表面修飾及びコーティング材について種々検討を行い、EPCの接着性に一定の改善がみられる表面条件を見出すことができた。 2023年度は、このEPCを含む共培養シートの作製条件をさらに改善し、マウスへの移植・治療効果の確認を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞シートを作製するための培養器材の表面設計の検討と、iPS細胞由来EPCのシート化の検討を通じ、マウスへの細胞シートの移植・評価に向けて一定の知見を得た。一方で、計画時点での研究コンセプトの一つである、肝細胞と血管内皮細胞の相互作用がFVIIIの産生に貢献する可能性について検証したが、少なくとも培養環境においてはF8遺伝子発現の向上等はみられなかった。そのため、今後の検討結果次第では、肝細胞を含まない状態で細胞シートを作製し、マウスの肝臓表面へ細胞シートを移植することで、マウス側の肝細胞と移植した細胞シートの相互作用によりFVIIIを産生させるアプローチを検討する。なお、EPCを含む細胞シートをマウスの肝臓表面へ移植する方法については既に検討を行い、その基本的な手技については確立済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
機能的なヒトFVIIIをマウス体内で産生させることを目指し、EPCを含む共培養細胞シートをマウスへ移植する検討を中心に行う。2022年度の検討で、EPCを含む共培養シートを作製する基本的な方法を確立したが、細胞シート化の際に生じるEPCのロスや、培養によるEPCの未分化性の喪失を最小限にするための検討は引き続き実施する予定である。これらの検討後、マウスへの細胞シートの移植を行い、マウス血中のヒトFVIII、及び産生されたFVIIIによる止血能への寄与について評価を行う予定である。
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