Project/Area Number |
22KJ2634
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Project/Area Number (Other) |
22J14894 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 27020:Chemical reaction and process system engineering-related
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
谷口 彩乃 高知工科大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ソルボサーマル反応 / 複合金属酸化物 / 多孔体 / ナノ粒子 / 触媒 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,複合状態の異なる様々な金属酸化物複合体をワンポット反応で合成するための手法を開発する。合成手法としてソルボサーマル法を用い,その反応条件を最適化することで加熱時に粒子生成反応を同時に起こしたり段階的に起こしたりして生成物の複合状態の制御を試みる。さらに,試料の物理的/化学的性質の評価と,種々の触媒反応に対する活性の評価を行う。これにより,試料の高次構造・複合状態がそれらの性質に及ぼす効果を見出す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題研究ではソルボサーマル法を駆使することによる,高次構造および複合状態が任意にデザインされた複合金属酸化物構造体のワンポット合成法の構築を目的とした。初年度にコア-シェル粒子のワンポット合成を目的として実験を行い,その過程で反応条件によってはFeOxとCeO2-xのような結晶構造の異なる酸化物同士であってもナノレベルで均一に複合できることを見出した。そこから着想を得て,最終年度は高エントロピー酸化物(5種類以上の電気的陽性な成分を等物質量に近い割合で含む単相の酸化物固溶体)の合成法の開発に取り組んだ。結果として,スピネル構造をもち球状に形状制御された高エントロピー酸化物[(Co0.2Cr0.2Fe0.2Mn0.2Ni0.2)3O4]をソルボサーマル反応と低温焼成の二段階合成法により得ることに成功した。XRDパターンから見積もられた結晶子径は約6 nmであり,従来法により合成された高エントロピー酸化物よりも結晶子径が極めて小さいことを明らかにした。得られた高エントロピー酸化物多孔体を逆水性ガスシフト反応の触媒として用いたところ,平衡限界に近い高い触媒活性,CO選択性,安定性が示され,高エントロピー酸化物多孔体の触媒としての応用可能性が示唆された。 研究期間全体を通して本研究では,球状の高次構造を形成した複合金属酸化物多孔体のソルボサーマル合成に取り組んだ。ソルボサーマル反応の条件(金属源,添加剤,溶媒の種類と量,加熱温度・時間など)を調整することで,2種類の金属酸化物がそれぞれ内側と外側に局在化した構造をとるコア-シェル構造体と,5種類以上の金属種が均一に混ざった構造をとる高エントロピー酸化物を合成することができた。これらの知見は,複合状態の制御された多孔体を得るための手法としてのソルボサーマル法の有用性を示すものと考える。
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