Law's Coercion and Its Normative Limits

• Project/Area Number: 22KJ2662
• Project/Area Number (Other): 21J01058 (2021-2022)
• Research Category: Grant-in-Aid for JSPS Fellows
• Allocation Type: Multi-year Fund (2023); Single-year Grants (2021-2022)
• Section: 国内
• Review Section: Basic Section 05010:Legal theory and history-related
• Research Institution: Hitotsubashi University (2023); Keio University (2021-2022)
• Principal Investigator: 三浦 基生 一橋大学, 法学研究科, 講師
• Project Period (FY): 2023-03-08 – 2024-03-31
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2023)
• Budget Amount: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000); Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000); Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000); Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
• Keywords: 法哲学 / 法概念 / 強制 / 法の支配 / 法人 / ナッジ / アーキテクチャ / 操作 / 制裁 / 基礎法学

Outline of Research at the Start

本研究は法による「強制」がどのようなものかを明らかにするものである。法哲学において、法を強盗の脅迫のような強制と同一視する見解は、一方ではあまりに自明であるとして軽視され、他方では法の説明としては極端であるとして批判されてきた。とはいえ、複雑化する現代においては、そもそも強制とは何かを問い直す必要がある。例えば、インターネット空間における法のあり方はそのようなシンプルなモデルにはまらないものである。また、感染症対策のために取られる様々な手段を一概に強制と呼べるかは、注意が必要である。本研究は、こうした複雑化する現代における法の強制の意味を再検討することを目指す。

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、法学の基礎的な研究を担う法哲学の研究として、法による「強制」がどのような様態で発動され、それがどのような規範的位置づけを受けるべきか、を明らかにすることを目指している。本研究には3つの柱となる課題がある。すなわち、（Ⅰ）法はどの程度強制なのか、（II）法による強制と呼びうるのはどのような規制手段なのか、（III）法による強制はいかなる限界を持つのか、である。
とりわけ2023年度は、最終年度であることに留意しつつ、（III）について文献調査を中心に研究を進めると同時に、研究全体のまとめとして成果発表を中心的に行った。
（III）については、英語で公表されている国際的研究においては、法とは何か（法概念）との関わりよりも、当該法体系のあり方を道徳的に判断するための枠組みとして法と強制の関係が研究されがちな状況であることが明らかになった。また同時に、別個に強制以外の影響力の行使（例えば「操作」）についての研究が進みつつある。このような状況については、法哲学・社会哲学国際学会連合日本支部（IVRJ）大会で報告を行った。
過去年度において若干遅れ気味であった研究成果の公表・社会還元についても進捗があり、書籍（単著1冊）を出版することができた。これは法とは何かという問題と法がどのような手段（強制）を用いるかの関係を重視している点、近年の研究に比して一定の意義がある。
そのほか、2023年度は社会的還元の場を持つこともできた。巨大なIT企業の存在により国家法の強制の存在感が減りつつあるなかで、法の強制がどの程度重要なのかを検討するポストをweb上に掲載したほか、高校でのゲスト講義の機会を持つことができ、必ずしも法学を専門としない人々を対象にアウトリーチ活動を行うことで、研究成果を還元することができた。

Research Products

• [Presentation] Is Coercion a Matter of Degree? Assessing the Recent Turn in Law and Coercion (2023)
  • Author(s): Motoki Miura
  • Organizer: IVRJ 2023: THE 2ND IVR JAPAN INTERNATIONAL CONFERENCE
  • Int'l Joint Research
• [Presentation] Miottoの‘法と強制’研究について：強制なき法は望ましいのか (2022)
  • Author(s): 三浦基生
  • Organizer: 東京法哲学研究会
• [Presentation] 強制なき法をめぐって：近年の「法と強制」研究の整理 (2022)
  • Author(s): 三浦基生
  • Organizer: 日本法哲学会
• [Presentation] SchauerのFree Speechについて（中間報告） (2022)
  • Author(s): 三浦基生
  • Organizer: 遂行分析研究会
• [Presentation] なぜJ.オースティンは 法（理）学の対象を確定することに腐心したのか (2022)
  • Author(s): 三浦基生
  • Organizer: ELSIに関する協働モデル創出のための探索的研究・定期研究会
• [Presentation] J. ラズの「天使の社会」と法の強制性 (2021)
  • Author(s): 三浦基生
  • Organizer: 東京法哲学研究会
• [Presentation] 法の得手不得手とナッジ (2021)
  • Author(s): 三浦基生
  • Organizer: 哲学若手研究者フォーラム
• [Book] ヘイトスピーチの何が問題なのか (2024)
  • Author(s): 本多 康作、八重樫 徹、谷岡 知美、メアリ・ケイト・マクゴーワン、池田 喬、堀田 義太郎、萬屋 博喜、ロバート・マーク・シンプソン、川瀬 貴之、永石 尚也、三浦 基生、加藤 浩介、末原 隆希、松原 成那
  • Total Pages: 330
  • Publisher: 法政大学出版局
  • ISBN: 9784588151361
• [Book] 法と強制：「天使の社会」か、自然的正当化か (2024)
  • Author(s): 三浦基生
  • Total Pages: 192
  • Publisher: 勁草書房
  • ISBN: 9784326404377
• [Remarks] 三浦基生講師が執筆した『法と強制』が刊行されました
  • URL: https://www.law.hit-u.ac.jp/2024/02/information/5896/
• [Remarks] 三浦基生講師が寄稿した『ヘイトスピーチの何が問題なのか』が刊行されました
  • URL: https://www.law.hit-u.ac.jp/2024/03/information/6061/
• [Remarks] 『法と強制』刊行されました
  • URL: https://motokimiura.me/?p=832
• [Remarks] 一橋教員の本 2024年刊行 | 一橋大学
  • URL: https://www.hit-u.ac.jp/academic/book/2024/240215.html
• [Remarks] 一橋教員の本 2024年刊行 | 一橋大学
  • URL: https://www.hit-u.ac.jp/academic/book/2024/240318.html