Project/Area Number |
22KJ2737
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Project/Area Number (Other) |
21J00071 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
勝谷 祐子 (2021, 2023) 國學院大學, 文学部, 特別研究員(CPD)
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Research Fellow |
勝谷 祐子 (2022) 國學院大學, 文学部, 特別研究員(CPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 壁画 / 美術史 / 様式研究 / 修復保存 / キリスト教図像 / 奏楽天使 / ゴシック美術 / 中世末期 / ゴシック / 図像学研究 / 装飾写本 / 1400年前後のヨーロッパにおける様式交流史 / 彩飾写本 / 文化財保護 / 《奏楽天使》図像 |
Outline of Research at the Start |
中世後期にヨーロッパ各地でキリスト教美術のテーマとなった《奏楽天使》図像に着目し、主として聖堂壁画を対象とした美術史研究を行う。フランスで壁画研究が開始されたのは他の絵画分野に遅れ、1960年代以降のことであり、今日でも中世壁画に関する研究は少ない。フランス、イタリア、スイス、ベルギーを含むヨーロッパ各地で可能な限り現地調査を重ね、壁画の技法や修復保存の状態を確認しつつ、制作年代や画家の特定を行う。成果は随時、欧米圏の学会にて発表、投稿を行う。また音楽学者、楽器考古学者、修復家と共に《奏楽天使》壁画に関する共同研究を行い、描かれた楽器の復元、作品目録の出版、展覧会の開催を予定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1767年に漆喰で塗り固められたル・マン大聖堂聖母礼拝堂天井壁画(1370~1378)は、1839年に旧祭壇を取り除く工事を行った際に再発見され、1842年には完全に漆喰層が取り除かれた。1914年の修復に次いで、1994年に行われた工事では、過去の修復部分の除去が試みられたものの、オリジナルの絵画層が失われる危険から、いくつかの箇所では加筆が残された可能性がある。2023年3月、現在壁面工事の行われる聖母礼拝堂の足場に上り至近距離で天井壁画を撮影する機会を得た。これによる観察と、修復前の画像資料、報告書などの公文書類をもとに、オリジナルと加筆部分とを区別した。本成果は修復保存状態を踏まえたうえでの楽器のディスクリプションを行った共同研究者のテキストと合わせ、研究ノートとして発表を行った。 また、ル・マン壁画同様に《奏楽天使》図像を天井部に表すポワチエ大聖堂の天井壁画、トゥールーズ、ジャコバン修道院サン=タントナン礼拝堂、カゾー=ド=ラルブーストのサン=タンヌ聖堂、ファルシュヴィル城礼拝堂での現地調査をおこなった。サン=タンヌ聖堂とファルシュヴィル城の礼拝堂に関しては今後の様式、図像研究の地盤となる修復保存の研究と表された楽器の同定作業を行った。 サントリー文化財団「学問の未来を拓く」研究助成を受けて2021年より進めている《奏楽天使》壁画に関する共同研究については、サン=ボネ=ル=シャトー天井壁画として表わされたハープとクラヴィコードの復元を実現した。クラヴィコードに関しては制作者とともに公開発表とコンサートを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2025年に行うストラスブール国立大学図書館での展覧会に合わせ、中世ヨーロッパ《奏楽天使》壁画に関する書籍を刊行する予定である。本書籍の準備として《奏楽天使》壁画数件に関する個人の研究調査が進んだことに加え、共同研究として行っているサン=ボネ=ル=シャトー天井壁画の楽器復元のプロジェクトが順調に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
《奏楽天使》図像を表すカゾー=ド=ラルブーストのサン=タンヌ聖堂、ファルシュヴィル城礼拝堂の壁画に関する個別の様式研究を進めるとともに、中世ヨーロッパ壁画における《奏楽天使》図像の発展と展開を問う論考を執筆する。また、サン=ボネ壁画に表されたリュートとラバーブの復元を実現する。同じく《奏楽天使》図像を天井部に表すル・マン壁画に関する様式研究を進めるとともに、ヨーロッパ楽器制作院ITEMMとの共同で3Dスキャンの技術を用いたヴァーチャル・ミュージアム構築と楽器復元を進める。
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