Project/Area Number |
22KJ2755
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Project/Area Number (Other) |
22J00877 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
宮川 慎司 上智大学, 外国語学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 中間層 / 貧困層 / 規範 / 階層移動 |
Outline of Research at the Start |
2000年代以降、フィリピンでは新中間層が成長し、新中間層と貧困層の間で社会的な分断が顕在化しつつあることが指摘されている。これまでの研究では、海外からの送金やビジネス・プロセス・アウトソーシング産業の成長に伴って、貧困層の中から新中間層へ上昇する人々が増加していることが指摘されるが、階層上昇の具体的な過程や、貧困層と新中間層の関係性の変化の原因については十分に論じられていなかった。本研究はこれらの点を解明することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フィリピンのマニラ首都圏における中間層が抱く「違法行為」に対する規範の変化がどのように起こったかを検討することが目的である。 2年目である本年度は、昨年度に行った予備調査を踏まえて本調査を行った。2023年9月から2024年3月までフィリピン大学の第三世界研究所に客員研究員として所属しながら、インタビュー調査と文献調査を行った。特に、今回の調査では「違法行為」の事例として、公道での露天商の営業、土地の不法占拠、正規の料金を支払わずに電力を利用すること(盗電)に注目しながら、人々にインタビュー調査を行った。インタビューの対象者は大きく三つに分けられる。 第一の対象者は、中間層である。貧困層が行う上記3種類をはじめとした「違法行為」について、どのような理由で、どの程度許容するか、あるいは反感を持つかについて調査を行った。マニラ首都圏に居住する約50人に対して1時間強の対面インタビューを実施した。 第二の対象者は、違法行為を行うことが多い貧困層である。これまで調査を行ってきたマニラ首都圏に位置するスラム住民に、どのような理由で違法行為に従事しているのかについてインタビューを行った。100人以上の対象者に、1時間程度の対面でのインタビューを行った。 第三の対象者は、違法行為の取締りに関係する行政機関である。露天商、土地の不法占拠、盗電を担当する行政機関の担当者にインタビューを行った。10程度の機関を訪れ、1時間程度のインタビューを行った。 これらのインタビュー調査に加えて、フィリピン大学内の各図書館において、露天商、土地の不法占拠、盗電に関する資料調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、昨年度の予備調査で計画した調査内容をおおむね実施することができた。計画通り、フィリピン大学の第三世界研究所に客員研究員として籍を置き、フィリピン大学内の寮に滞在して調査を進めることができた。 当初想定したよりもインタビューすることができた中間層の数が少なく、50名程度にとどまった。しかし、一人一人へのインタビューの時間を十分にとって、豊富な質的なデータを集められたため、分析を行う上では大きな問題にならないと考えられる。さらに、インタビュー調査の実施を予定していた中間層だけでなく、これまで調査を行ってきた貧困層や「違法行為」の取り締まりを担当する行政機関に対しても充実したインタビュー調査を行うことができた。渡航前に危惧されていた、新型コロナウイルスの影響もほとんど受けることなく、順調に調査を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の本調査によって、論文と単著の執筆に必要となるデータの収集はある程度終了した。来年度は、収集したデータを整理、分析した上で単著や論文を執筆する作業が中心となる予定である。その作業を行う過程で、不足しているデータや文献の存在が明らかになった場合には、短期間フィリピンに渡航し、追加調査を実施する。
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