診断の社会的機能に関する実証研究-診断の不在に注目して-
Project/Area Number |
22KJ2766
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Project/Area Number (Other) |
21J00417 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Chuo University (2022-2023) St. Luke's International University (2021) |
Principal Investigator |
上野 彩 中央大学, 文学部社会学専攻, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 希少未診断 / 名付けられない病い / IRUD / 難病政策 / 障害者総合支援法 / 地域づくり / 教育 / 診断 / 社会政策 / ネットワーク / 支援 / rare and undiagnosed / 診断名 / 患者会 |
Outline of Research at the Start |
本研究は現在の医療技術において診断の確定が困難な患者の存在を前提に、診断の社会的機能を明らかにしようとするものである。そのため、当事者へインタビュー調査だけでなく、当該患者へ支援を提供している立場の方々へのインタビュー調査、および、障害者総合支援法の審議録に関する分析を行い、希少未診断患者の置かれた社会構造を立体的に描くことを試みている。昨年度までの活動において、未診断患者の診断の確定を目的として組織されている医師の国際的なネットワークがあることが判明し、本年度はこれまでの調査結果のアウトプットに加えてその資料収取と分析も行っていく予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は診断の不在も含めて、診断の社会的機能を明らかにすることであった。最終年度はIRUDの動向と希少未診断患者家族へのインタビュー調査から論文を執筆し、またこれまでのインタビューデータをまとめたものを生活書院さんから「名づけられない病いの軌跡-希少未診断の社会学」として出版した。これは、「名付けられない」苦しみに対する奔放初の書籍であることに加えて、英語圏においても世界初の体系だった専門書である。その他にも「名付けられない」問題に対して社会的に取り組まれている方々と連携することも叶い、引き続き調査を行う予定である。特に、島根県浜田市の「や会議」は地域の方々が感じている「モヤモヤ」(言語化できない状態の不安)を地域で共有し、解決していこうとする取り組みであり、一つの県の活性化のために県内外から集客を行うという画期的な取り組みである。また、同じく「名付けられない」あるいは可視化されづらい教育の問題に取り組まれている吉田達也氏とも引き続き連絡を取り合い、「名付けられていない」けれども社会の人々が生きづらさを感じている社会的問題に対して多方面からアプローチしていく。以上のように最終年度はアウトプットに注力しながらも、【研究A】障害者総合支援法成立過程に関する審議録の分析を終え、【研究 B】希少未診断患者と関わりのある相談員へのインタビュー調査とIRUD拠点病院の担当医へのインタビュー調査を数件終わらせた。また、イギリス患者会へのインタビュー調査は叶わなかったが、世界の未診断疾患を巡るネットワークに関わっているバンコク代表者である医師との情報交換を行うことができ、研究が飛躍的に進んだ3年間だったといえる。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)