Project/Area Number |
22KJ2770
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Project/Area Number (Other) |
22J00573 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
佐藤 僚亮 中央大学, 理工学部, 研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ランダム点過程 / 行列式点過程 / CAR代数 / 量子情報理論 / 漸近的表現論 / 量子群 / 作用素環論 / 確率論 |
Outline of Research at the Start |
コンパクト群の帰納極限は一般に局所コンパクト群にならないが,それでもフーリエ解析の理論などが研究されてきた.それにより,群上の調和解析と群の双対上の確率論とが自然と関係する.さらに具体的にユニタリ群などを考えると,その双対の形状から,その上の確率論は統計力学と関係する.これは可積分確率論の一つの源である.一方で,表現論や作用素環論に基づき,これらの確率論や統計力学についての多くを代数的に研究できると期待できる.本研究では,こうした確率論や統計力学のうち表現論に起因する話題について,表現論,作用素環論に基づく解析の枠組みを与える.
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Outline of Annual Research Achievements |
ランダム点過程を作用素環論の観点から研究した.特にランダム点過程のうち,その点同士の相関が行列式の形で表されるものを行列式点過程と呼び,ランダム行列理論や組合せ論,統計力学,表現論に関連する確率論などで研究されている.一方の作用素環論では,正準反交換関係を満たす生成元を持つCAR代数が様々な研究で重要な役割を果たしてきた.特に適当な設定の下で,CAR代数の状態は離散空間上のランダム点過程を与える.さらに状態がゲージ不変・準自由という性質を満たすとき,対応するランダム点過程は行列式点過程であることが,これまでの研究で知られていた.本研究では,この状態とランダム点過程との関係の発展を目指している.具体的には,作用素環論の立場から,ランダム点過程を不変測度とする確率過程を構成し,解析する理論を目指している.ここまでの業績として,ランダム点過程が直交多項式と関連する行列式点過程である場合,それを不変とするMarkov過程をCAR代数上の量子Markov半群から構成した.さらに構成したMarkov過程の推移確率と生成作用素の具体的な表示を与えた.この結果は論文にまとめ,Communication in Mathematical Physicsより出版された.またこの結果について研究会や研究セミナーなどで発表した. 別の話題の研究として,コンパクト群の双対空間上の量子Markov半群と量子情報理論との関係に関する共同研究も行なった.特に量子情報理論における基本的な定理である量子de Finetti定理について新たな観点と新しい証明を与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行列式点過程を不変測度とするMarkov過程を作用素環論の観点から構成することは,研究を始めた頃からの目標の一つであった.本研究ではその目標を,行列式点過程が直交多項式と関連する場合に達成した.またこの成果は論文として受理された.またコンパクト群の双対空間上の確率過程に関する研究も発展させることができ,量子情報理論との新たな関係を発見することができた.以上のことから研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
行列式点過程を不変測度とするMarkov過程を,作用素環論の観点から構成し解析するためのさらに一般の枠組みを目指す.特にL-ensembleと呼ばれる行列式点過程のクラスは,様々な文脈で現れ,本研究の目標とする.またそうしたMarkov過程の時間相関について更に研究を進める.さらに量子確率解析などの先行研究を取り入れて,行列式点過程や表現論に関連する確率論などについて,研究を進める.加えて研究結果を国内外の研究会などで発表し,国内外の研究者たちと積極的に交流する.
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