Project/Area Number |
22KJ2814
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Project/Area Number (Other) |
22J14598 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
神山 一貴 東京理科大学, 創域理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 亜臨界乱流遷移 / チャネル流 / 環状流 / 直接数値シミュレーション / DNS / 吸収状態転移 / 有向浸透現象 / 乱流層流共存パターン / 直接数値解析 / 大規模乱流パターン / 非平衡統計力学 / 乱流モデル |
Outline of Research at the Start |
亜臨界乱流遷移では,従来は乱流維持不可能言われた低レイノルズ数でも完全に層流化せず,乱流と層流が安定に共存する大規模間欠パターンを形成する.しかし,確率挙動の複雑さゆえ工学応用は程遠い. 本研究では,スーパーコンピュータを用いた大規模直接数値解析により,様々な流路での層流・乱流共存パターンのデータを包括的に蓄積,パターン同定手法を導入し,乱流維持限界や遷移現象に潜む普遍的特徴を調査する.また,有向浸透現象の普遍性に基づき確率挙動を再現可能な低負荷で汎用的な代理確率モデルを開発,その代理モデルを用いた流体解析手法と適応範囲を模索し,低レイノルズ数での伝熱促進,乱流遷移抑制に資する知見獲得を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度では,壁面せん断流の乱流維持限界と遷移現象に潜む普遍性解明,そのモデル化を目指し,チャネル流と環状流を対象にスーパーコンピュータを利用した大規模な直接数値シミュレーション(DNS)を実施し,レイノルズ数を下げた際の乱流から大域的な層流への遷移と有向浸透現象(DP)との関連性調査を行った. 遷移の普遍性調査については,中国 上海交通大学と東京大学との共同研究として,側壁を課した広さの異なる巨大チャネル流を対象に大規模DNSを継続して実施した.いずれも下臨界値は概ねReg = 1000であるが,乱流層流共存構造の形状と挙動は領域の広さに依存することを観測し,あるスパン方向広さを境にDP普遍性のクラスが異なることを発見した.これまで,実験とDNSでは遷移ルートと下臨界値の乖離が指摘されていたが,従来DNSで多用される周期境界が実験を始めとした現実的な有限境界から乖離した境界条件であるためと特定した.なお,DNS結果のLagrange的解析では,移流系における局在乱流の移動を定量的に補正するKullback-Leibler情報量を用いた新手法を開発した. 環状流の遷移については,フランス ESPCI ParisとLISM-CNRSとの共同研究として実施した. DP的確率モデルによる遷移下の低円筒比環状クエット流における乱流パフの形状・挙動の再現において,独立2変数(層流形成と拡散)が時空間スケールを決定することを突き止めた.さらに,極低円筒比環状クエット流では,より低いレイノルズ数Re = O(10)でも乱れを維持可能であることを示唆する結果を得た. 研究期間全体を通じて,乱流層流共存パターンのデータを包括的に蓄積,乱流維持限界や遷移現象に潜む普遍的特徴を明らかにし,DP普遍性に基づく代理確率モデルを提案したことで,低レイノルズ数での乱流遷移抑制・伝熱促進に資する知見を得られたといえる. 上記のDNSおよび確率モデルに関する成果は,それぞれ英文雑誌へ投稿する予定である.
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