Project/Area Number |
22KJ2818
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Project/Area Number (Other) |
22J22973 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
多田羅 麻由 東京理科大学, 創域理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 生殖細胞 / エピゲノム編集 / クロマチン / 精子形成 / エピジェネティクス / 分化 |
Outline of Research at the Start |
マウス精子形成期において、生殖細胞が分化し減数分裂期へ移行する際には、体細胞系列には見られないエピゲノム変化及びクロマチン構造変化が生じ、体細胞型の遺伝子発現プロファイルから生殖細胞特有の遺伝子発現プロファイルへと切り変わる。本研究では、精子形成の進行に重要な領域を標的にエピゲノム編集を行い、人為的に体細胞型のクロマチン状態から減数分裂型のクロマチン状態に編集することで、胚性幹細胞から精母細胞へ分化を誘導する手法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エピゲノム編集技術を用いた胚性幹細胞から精母細胞への分化誘導法の確立を目的とする。哺乳類の精子形成では、減数分裂期へ移行する際に体細胞型の遺伝子発現プロファイルから精子形成期特有の遺伝子発現プロファイルへと切り替わる。申請者は、マウス精子形成をモデルにこの大規模な遺伝子発現 変化が減数分裂移行期の段階的なクロマチン構造変化によってもたらされることを明らかにした。次に、この精子形成の進行に重要なクロマチン動態が生物種間で保存された現象なのかという点に着目した。さらに、種間で共通して精子形成の進行に重要な領域を標的に、人為的に体細胞分裂型から減数分裂型のクロマチン状態に編集することで、in vitroで減数分裂への移行を制御できるのではと考えた。そこで本研究ではまず、抑制型及び活性化型のエピゲノム編集を同時に行う新規のエピゲノム編集技術の確立を進めた。本項目では、ddCas12aを用いたCRISPRoff法による抑制型およびdCas9を用いたCRISPRa法による活性化型のエピゲノム編集を行うためのプラスミドベクターを作製し、CRISPRoff、CRISPRa融合タンパク質の活性をレポーターアッセイにより評価する。現在までに、CRISPRoff及びCRISPRa法による抑制型及び活性型のエピゲノム編集を行うためのプラスミドベクターを作製した。作製したCRISPRoff、CRISPRaベクターをHEK293FT培養細胞にトランスフェクションし、レポーターアッセイにより活性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、令和4年度にコモンマーモセットの精母細胞を用いてオープンクロマチン解析を行い、マウスとの比較解析から種間で共通して減数分裂期への移行に必須なクロマチン領域を同定する予定であった。しかし、当初の予定を変更し令和5, 6年度に実施予定であったddCas12aとdCas9を同時に用いて抑制型及び活性化型のエピゲノム編集を同時に行う新規のエピゲノム編集技術の確立を進めた。本項目では、令和5年度に発現を確認したCRISPRoff、CRISPRa融合タンパク質の活性をレポーターアッセイにより評価する。現在までに、CRISPR融合タンパク質を発現するCRISPRoff、CRISPRaベクター及びgRNAを発現するgRNAベクター、そして蛍光タンパク質を発現するレポーターベクターをHEK293FT培養細胞にトランスフェクションし、CRISPR融合タンパク質の活性を評価した。CRISPRoff、CRISPRaベクターともに蛍光タンパク質の発現が抑制もしくは活性化され、高い活性を示した。また、CRISPRoff融合タンパク質は、レポータープラスミドのプロモーター領域を標的としたgRNAを用いた場合と比較して、遺伝子座を標的としたgRNAを用いた方がより蛍光タンパク質の発現が抑制された。さらに、CRISPRoffベクターとCRISPRaベクターを同時にHEK293FT培養細胞にトランスフェクションした場合にも、蛍光タンパク質の発現が抑制・活性化したことから、作製したプラスミドベクターは外来生の遺伝子を標的としたハイブリッドなエピゲノム編集を可能にすることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、作製したCRISPRoff及びCRISPRaベクターによる内在性の遺伝子を標的としたハイブリッドエピゲノム編集が可能であるかを、未分化なマウスES細胞を用いたレポーターアッセイにより評価する。また、エピゲノム編集の標的となる領域を同定するために、種間で共通して減数分裂期への移行に必須なクロマチン領域を同定する。減数分裂への移行を制御するクロマチン動態が、進化的に保存されているかを検証するために、霊長類であるコモンマーモセットの精母細胞を用いて同様の解析を行う。マーモセット精巣から減数分裂移行期を含む4つの分化段階(タイプB分化型精原細胞、プレレプトテン期精母細胞、レプトテン-ザイゴテン期精母細胞、パキテン期精母細胞)の細胞を分取し、オープンクロマチン解析(ATAC-seq)を実施する。マウスとの比較解析から、移行期に種間で共通して開閉状態の変化するクロマチン領域と、そこに結合し機能する転写因子等を推定する。
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