「交際」・「交渉」・「交隣」の比較史:「外交」以前の日中韓の対外関係再考
Project/Area Number |
22KJ2837
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Project/Area Number (Other) |
21J01421 (2021-2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2021-2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | Seikei University (2023) Hosei University (2021-2022) |
Principal Investigator |
澤井 勇海 成蹊大学, 文学部現代社会学科, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 外国交際 / 中外交渉 / 事大交隣 / 外交 / 対外関係 / 東アジア / 国際関係史 / 明治維新 |
Outline of Research at the Start |
19世紀後半の東アジア対外関係は、華夷秩序から西洋国際秩序への変容という枠組として論じられてきた。この枠組の下で、日本は西洋国際秩序への適応に成功して列強となり、清朝は失敗して半植民地化され、朝鮮は日本の植民地となるに至ったとされる。伝統的枠組の抱える西洋中心主義的前提には批判も多いが、代替する有力な枠組は少ない。本研究は、当時の日本では「(外国)交際」、清朝では「(中外)交渉」、朝鮮では「(事大)交隣」という語彙が対外関係について使用されていたことを鍵として、日中韓の対外政策形成過程をそれぞれ一次史料に基づき内在的に再検討した上で、三カ国の対外関係のフラットな比較を試みるものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実績として、次の二点が挙げられる。第一に、昨年度に収集したEli T. Sheppard関係文書(議会図書館・UCB図書館・スタンフォード大学図書館)を読解・分析し、外務省国際法顧問であったSheppardが明治初年の対外関係や国際法理解において果たした役割を一定程度実証的に明らかにしたことである。この成果を、東アジア近代史学会月例研究会にて「外務省法律顧問になるーイーライ・T・シェパードの日本・中国経験」 として研究報告を行っている。第二に、米国での一次史料や二次文献の調査、また現地での人的ネットワークから得た研究上の刺激なども交え、19世紀後半の日中韓の対外政策過程の比較という目的に向け、問題意識を深め分析枠組を陶冶することができたことである。その思索の一部を元に、フィンランドで開かれた5th conference of the network for New Diplomatic Historyにて'"Jiaoshe交渉", "Kosai交際", and "Gyorin交隣": The Transitional Styles of East Asian Foreign Policy-making, the 1860s-70s'と題する研究報告を行った。この学会は欧州を中心とするが、New Diplomatic Historyを掲げて従来の外交史研究とは異なる多様なアプローチの研究者が集っており、他の参加者の研究報告や彼らとの交流から様々な刺激を受けることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画では、2023年度前半は米国に研究滞在し、後半から韓国での研究滞在を開始する予定となっていたが、2023年度から学振CPDを中途辞退して成蹊大学に着任した関係で、計画の大幅な修正を余儀なくされた。韓国滞在中に専ら予定していた、朝鮮部分の史料収集等については、日本を拠点としつつ適宜韓国に移動して実施するつもりであったが、帰国および新しい職場環境への適応の必要も相まって、なかなか時間をとることが叶わなかった。だが「研究実績の概要」でも記したとおり、むしろ米国滞在中に得た史料や刺激を腰を据えて消化することができており、研究全体としては総合的には順調に進展していると評価できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、とくに2024年度の研究計画として、次の三点を重視する。第一に、朝鮮部分に関する史資料の収集・分析に注力する。もっとも、2024年度から東京工業大学に異動した関係もあり、朝鮮での調査のため十分な準備時間を確保できるかは定かではない。だが「現在までの進捗状況」で述べたとおり、ここはとくに遅れている部分でもあり、挽回を企図する。第二に、Eli T. Sheppard関係文書についてはその史料的価値の高さもあり、史料集ないし評伝の刊行に向けて動いている。史料の翻刻・分析や解説等の執筆に向け、リソースを集中する予定である。第三に、19世紀後半の日中韓の対外政策過程の比較という目的に向け、研究の全体的なまとめをどのような形で世に問うかについて、総合的な研究を進めつつ準備したいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)