Project/Area Number |
22KJ2853
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Project/Area Number (Other) |
22J13151 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
岡村 伊織 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 気候変動 / 適応 / ミクロデータ / 農業生産性 / 適応策 / 気象データ |
Outline of Research at the Start |
実態調査や個票データをもとに定性的・定量的データの収集を行い、農家の適応について検討する。まず、農村部を対象とした実態調査をもとに、気候変動による影響について定性的な調査を行う。その際に、アンケート調査の収集等も並行して行い、農家の経営パフォーマンスや地域構造に関するデータを収集する。以上のデータを用いて、適応によって経営体の生産性や地域構造がどのように変化したかを明らかにする。この際に、統計的手法を適用し精緻な因果分析を行う。以上の研究結果について国際学会等で発表し、国際学会誌に投稿する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、気候変動下における農家の適応実態と、その過程で発生する農業生産性の向上や農業構造の変化を、農家レベルのデータを用いた定量分析と実態調査により明らかにすることを目的とした。具体的な作業内容と研究成果の発表状況は以下の通りである。 前年度にはJAや農家を対象とした調査を実施し、コストや認知の面で課題が残っているものの、適応の実施が一定程度進んでいる点が明らかになった。この点を踏まえて、気候変動の影響を評価する際には、農家の適応実施とそれによる生産性向上効果を考慮することが重要であると考えた。 本年度は、前年度に引き続き、農家による適応策の実施を考慮したモデルの推定や、その結果をもとにした気候変動影響の評価を実施した。得られた結果は、「農家が適応を自発的に実施する」という仮定の下では、気候変動による悪影響は軽微であることを示唆するものであった。以上の研究成果について英文化して取りまとめ、国際学会誌に投稿した。査読過程で査読者から推定手法や推定結果の解釈について、有益な指摘を受けることができたため、それをもとに研究内容の向上に努めた。その結果、投稿論文は国際学会誌にフルペーパーとして掲載された。また、国内学会での報告を通じて、今後の研究に資するフィードバックを得た。 以上の研究成果の発表と並行して、行政担当者や農家への聞き取り調査を実施し、「農家が適応を自発的に実施する」という仮定の妥当性について検討した。調査からは、農家個人だけでなく、地方自治体による高温耐性種普及の方針など地域レベルでの課題も存在することが明らかとなった。これらの結果から、本研究で推定された気候変動影響は、むしろ楽観的な推定値であり、適切な適応を実施するためには農家レベル、地域レベルでの課題をクリアする必要があることが示唆された。
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