Project/Area Number |
22KJ2859
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Project/Area Number (Other) |
22J00346 (2022)
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund (2023) Single-year Grants (2022) |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
赤阪 辰太郎 立教大学, 文学部/文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ファッション / フランス哲学 / サルトル / 現象学 / 身体 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、衣服を継続的に身につけることで「私」はいかにして形作られるのかという問いに回答を与えることを目指す。それを通じ、現代の現象学的身体論を刷新する。そのためにジェンダー化された身体的主体性の構成にとって被服経験が持つ意味を3つの観点から解明する。研究A:従来の現象学的身体論における被服経験を通した主体化の理論を整理し更新する。研究B:衣服のジェンダー化過程について、社会関係の事物への記入という観点から分析する。研究C:A・Bを踏まえ、被服によりジェンダー化された身体的主体性の構成機序を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、前年度刊行したファッションとアイデンティティにかんする論考に基づいた公開イベントに招待され、登壇・発言したほか、前年度より取り組んでいた日本の哲学者である鷲田清一の身体論・ファッション論についての研究をまとめ、European Network of Japanese Philosophy 7th Annual Conferenceにおいて学会発表し、公表した。学会発表の内容は、当日の質疑での議論を受けてさらに高度化し、次年度に外国語論文として投稿する予定である。このように、研究面でも、研究成果の発信という面でも、実績をあげることができた。 また、前年度に既に予備的な調査を終えておいた海外における既製服の歴史の研究をさらに推し進めた。フランス・パリにおいて滞在研究を行い、主にフランス国立図書館において19世紀のファッション産業にかんする雑誌について資料調査を行った。また、本研究と関連する形でファッションにかんする展示を調査した。滞在の成果については「着る」「買う」「作る」とは異なった衣服との関係である「(展示物として)見る」という行為の現代社会における文脈づけという観点から、さらには日本と欧州との比較という観点から、今後さらに考察を進め、論考の形で成果をまとめる予定である。 さらに、現象学的身体論にかかわる理論的な考察の一環として単著『サルトル 風通しのよい哲学』(大阪大学出版会)を刊行した。ここで展開した理論はファッションという観点から身体を考察する際の基盤となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前述の国際会議での報告、資料調査のための研究滞在、単著の形での成果の公表等、いずれの分野においても、前年度計画していた以上の成果を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となるため、国内外のファッション研究、(応用)現象学的研究にかんする研究誌に論考を投稿し、過去2年度分の成果の公表に努めるほか、その成果の公表を通じてさらに研究内容を高度化してゆく予定である。 また、前年度の研究滞在中に収集した資料をまとめ、それに基づく新たな研究を進める予定である。
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